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ウイダー・トレーニングラボ / 「中高年のためのトレーニングと栄養」セミナーを開催

「管理栄養士の斉藤裕子さんが登壇」写真 フィギュアスケート・浅田真央選手の「栄養・トレーニング」サポートプロジェクトを発表し注目を集めたウイダー・トレーニングラボ(森永製菓株式会社/東京都港区)が20日、芝浦にある同ラボにて「中高年のためのトレーニングと栄養」と題したセミナーを開催した。参加者はおもにパーソナルトレーナーで、メタボ健診を念頭に置いた栄養指導・トレーニング指導のポイント解説と、トレーニング実技のデモンストレーションが行なわれた。今回のセミナーは指導者向けのものだったが、特定保健指導への誘引を図る意味でも広く一般向けに情報発信していく考えだ。  同ラボは多くのプロアスリートおよびアマチュアアスリートを栄養・トレーニングの両面で指導、NSCAジャパン(米国に本拠地を置くストレングス&コンディショニングコーチの非営利教育団体日本支部)のガイドラインに基づいたトレーニングプログラムを提供している。しかし実際同ラボは、子どもから中高年に至るまで幅広い年代のクライアントを持つことから、今回はじめて“中高年の指導”にスポットを当てたセミナーを企画した。4月にスタートした「特定健診・特定保健指導」の制度導入により、メタボ対策を核としたパーソナルトレーニングのニーズが高まることを見据えてのものだという。 「甲賀千詠子ストレングス&コンディショニングコーチは、少年野球のトレーニングなどを担当」写真 栄養とトレーニングの重要性について講義はそれぞれ、管理栄養士とストレングス&コンディショニングコーチが担当。まず栄養に関する座学では、「中高年のための食習慣」について解説、メタボ対策の食事指導についての実例などを紹介。メタボ基準となる腹囲に関してもただサイズを意識するだけではなく、内臓脂肪型肥満なのか皮下脂肪型肥満なのかを把握すべきであるとの認識を示した、さらに中高年層の指導には特に個々の生活習慣、体調、病歴などの確認が不可欠であることなどが説明された。  「偏食や喫煙、多量の飲酒、ストレスによるダメージなどすべてのメタボリスクは、すなわち動脈硬化リスク。いわゆるメタボリックドミノを生じさせないためにも、正しくかつ楽しい食事の摂りかたを教えていく必要があります。肥満に関しても加齢に伴う基礎代謝の低下と身体活動の低下に起因することを理解させ、摂取したエネルギー量を代謝するためにトレーニングが有効であるとわかってもらうことも重要です」(同ラボ・斉藤裕子管理栄養士)  トレーニング講義ではメタボ改善のための「運動習慣がもたらすメリット」とはどのようなものかを説明、午後のトレーニング実技では会社のデスクや椅子を使った“オフィス・エクササイズ”と、自宅で簡単にできる“ホームエクササイズ”のプログラムを紹介、実技指導も行なわれた。自重を使ったスクワットやクランチ(腹筋運動)などの基本メニューを中心とした“オフィス・エクササイズ”は、将来的には企業の健保組合や福利厚生機関への導入も視野に入れたプログラム。そのほかにダンベルもしくはペットボトル、チューブなどで軽い負荷をかけるウェイトトレーニングのメニューも、身体に大きなストレスをかけずに大きな筋を鍛えることのできるものだ。 「全身のストレッチを十分に行なったあと、椅子に座ったままできるフリーウェイトトレーニングなどの実技がレクチャーされた」写真 「加齢による筋肉の衰えと代謝の減少を改善するためには、多関節、大筋群を使ったエクササイズを行なう必要があります。筋肉は摂取したエネルギーを代謝する重要な器官であると同時に、関節を守り転倒防止や骨粗しょう症の予防にも大きな役割を果たします。早稲田大学の福永哲夫教授の提唱されている“貯筋”という考えかたがあるのですが、筋を鍛えて大きくしておけば病気や筋力の衰えを補うことができるということを著書にもお書きになっています。また森谷敏夫教授(京都大学大学院)は『運動を伴わない生活を“おかしい”と思うべき』とセミナーなどで発言なさっています。1年に1%ずつ体力が低下するといわれているのですが、メタボに該当するかたは体力も免疫力も低いと考えられますから、運動が不可欠なのです。こうしたお話をもっと直接中高年の方々に話していきたいですし、仕事中に業務の一環として簡単なトレーニングを取り入れてくれる企業が出てくるようになれば、医療費削減にも貢献できるのではないかと考えています」(同ラボ・甲賀千詠子NSCA-CPT)  同ラボは今後も継続的にこうした情報発信と、栄養指導と筋力トレーニングの重要性に関する啓蒙活動を行なっていきたい、としている。

2008年04月24日 10:10