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「第二回フラバンジェノール研究会」を開催

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(株)東洋新薬(本社福岡県福岡市、服部利光社長)は2009年3月13日、都内で「第二回フラバンジェノール研究会」を開催した。フラバンジェノールは、フランス南西部に生育する海岸松の樹皮から抽出した自然由来の機能性素材で同社を代表する商材のひとつ。健康食品のみならず化粧品、医薬品部外品分野にまで幅広く応用される注目素材とあって、会場には業界関係者ほか約70人の聴衆が集まった。
初めに国立循環器病センター心臓血管内科の金智隆氏が「フラバンジェノール潤・フメタボリックシンドロームに対する影響―有田町コホートスタディー」と題し講演。地域に密着した研究が続けられる佐賀県有田町の町民の協力のもと、国立循環器症センター、ヒュービットジェノミクス(株)の共同研究として、メタボリックシンドローム、またはその予備群にあたる人を対象に行った実験の結果を報告した。

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フラバンジェノールを1日に120mgを摂取した群、プラセボ食品を摂取した群の12週間後の比較では、総コレステロール、体脂肪率についてはフラバンジェノール摂取群がプラセボ群に対し、優位に低値を示し、LDLコレステロールにおいても低下傾向がみられた。また、期間中には摂取に起因する重篤な有害事象は認められず、1日あたり120mgのフラバンジェノールの長期摂取においては安全性に問題がないことも考察された。
続いて「フラバンジェノール潤・フメタボリックシンドローム諸症状に対する影響とそのメカニズム」と題し、武蔵野大学薬学部助教の嶋田努氏が登壇。メタボリックシンドロームモデルマウス(TSOD)と対照マウス(TSNO)を用いた実験で、フラバンジェノールによる用量依存的な体重増加抑制効果ならびに内臓および皮下脂肪蓄積抑制効果を確認。さらに糖代謝異常、高インスリン血症などのリスクファクターに対する改善効果を示したことなどが報告された。

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フラバンジェノールのメタボリックシンドロームに対する知見がテーマとなった前半から後半は、美容、育毛についてのレクチャーがなされた。(株)東洋新薬開発部主任の平野真氏と(株)アートネイチャー商品開発部研究員の小見笑子氏は「フラバンジェノール潤・フ育毛効果」をテーマに講演。平野氏はフラバンジェノール、フラバンジェノールに抗酸化作用を有するアスタキサンチン、酵母エキスなどを配合した医薬部外品を用いた実験結果を報告。育毛効果証明のために行った抗酸化作用、細胞賦活化作用、浸透作用の実験において、いずれもフラバンジェノールによる作用の向上が認められた。動物実験においても塗布による育毛効果が確認された。
小見氏は、医薬部外品の含有商品を使った現場での事例を報告。フラバンジェノール配合の育毛剤をと組み合わせた効果的な育毛・発毛プログラムの展開、さらに裏話として施術者の手足の冷え性が改善された事例などを公開した。

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最後に福岡大学医学部教授の中山樹一郎氏が「フラバンジェノール潤・フ美容に対する効果」と題し講演。顔に色素班をもつ健常成人女性を対象にした試験の結果を報告。フラバンジェノールを1日40mg24週摂取させた群(Ⅰ群)と、初めの12週間は観察のみで残りの12週間をフラバンジェノール1日40mg摂取させた群(Ⅱ群)のメラニン・インデックスの変動では、Ⅰ群で開始12週目に有意な減少が認められ、24週ではさらに減少。Ⅱ群では12週では変化がなく、24週目には試験開始時との比較で有意に減少したことなどが確認された。中山氏はフラバンジェノールの多岐に渡る美容効果に改めて感嘆しつつ、今後は肝班における同素材の有用性についても検討していくことを明かした。
メタボリックシンドロームへの有用性から美容、育毛分野における幅広い可能性が示されたフラバンジェノール。同研究会を主催する東洋新薬・取締役兼専務執行委員の大久保寧氏は「フラバンジェノールは研究すればするほど新たな発見がある無限の可能性を秘めた素材。今後も新しい機能の検証、解明に努めるとともに情報発信を心掛け、市場に向け存在感を高める努力をしていきたい」と語り、会を締めくくった。
2009年03月13日 20:49