健康と美容のニュースなら健康美容EXPOニュース

男性化粧品市場が拡大する理由とは

1022-s.jpg

男性のおしゃれ意識の高まりを背景に近年、 拡大を続ける男性化粧品市場。 スタイリングが伸び悩む一方で、 フェイスケアとデオドラントが好調な動きを示している。 新規参入の動きが活発化するなど、 各メーカーの関心も高い。 なぜ、 フェイスケアとデオドラント分野が成長しているのか。 そして今後の行方は――。 男性化粧品最大手㈱マンダムの第一商品開発部・第二商品開発部 開発業務室 担当執行役員、 亀田泰明氏に話しを伺った。 

対人意識の変化受け市場が活性化使用率は低く、今後も拡大へ

――男性フェイスケア市場の成長をどのように分析していますか。 

亀田氏 金額としてはアフターシェーブローションとスキンローション/クリーム/ミルクなどが約100億円、 洗顔料が約70億円、 フェイシャルペーパーが約50億円で、 全体では約220億円となり、 近年は5%前後の伸び率となっています。 

若年層から中高年層まで、 全体として人から清潔で若々しく見られたいという意識が確実に進んでいます。 特に20代を中心とするビジネスマンの清潔意識が高まり、 使用率が高くなっています。 

さらに広い意味では、 「女性に好感をもってもらうため」 といった理由のほか、 肌の手入れやファッションにも気を使い、 自分のセンスを磨きたいと考える 「草食系男子」 に象徴されるように、 フェイスケア行動における男女間のハードルが低くなっていると考えています。 同時に、 新規参入を含め競争が激化しています。 

こうした複合的な要因が重なることで、 徐々に市場が活性化してきました。 使用率はまだ低く、 今後も市場は拡大すると考えています。 

――全体的に使用率は低いようですが、その拡大に向けては、どのようなことが考えられますか。 

亀田氏 洗顔料の使用率は年代別に見ますと、 大学生などの20代こそ85%と高いですが、 それをピークに年齢が上がるほど使用率は下がる傾向にあります。 

ローションは、 20代と50代が45%で最も高く、 40代が38%、 30代が26%と続きます。 「高い」 といってもまだ45%です。 40代は近年、 数字を伸ばしています。 この年代は加齢症状を最も敏感に感じる年代です。 こういった層に向けて、 育成型のマーケティングをする必要があると考えています。 

幅広い年齢層で使用率が向上ボディペーパーの伸長率際立つ

――デオドラント市場はフェイスケアを上回る成長率です。 要因をどう捉えていますか。 

亀田氏 デオドラント市場は、 04年からの4年間で1・6倍に拡大し、 約71億円規模となっています。 これもフェイスケア同様、 幅広い年齢層で使用率が高まっています。 

フェイスケアと大きく違うのは、 季節要因が絡む点です。 夏が猛暑になると急激に市場が盛り上がる一方で、 冷夏になると縮小することもあります。 そういう中で、 市場自体は順調に伸びてきていますね。 今後も伸びる余地は十分あり、 拡大すると考えています。 

当社は15年前に男性用デオドラントスプレーを発売しました。 当時は体臭のきつい人や清潔意識の高い人など使用層が限られていましたが、 この約10年間で剤型の多様化が進み、 使用率の最も高いスプレーを中心に、 ごく普通にデオドラント剤を使用していただけるようになりました。 

特に近年は、 ボディペーパーの使用率が上がり、 市場も拡大しています。 今夏は非常によく伸びました。 具体的には、 4%だった使用率が約2倍の7~8%まで伸び、 市場も40%増となりました。 

ボディペーパーはまだ認知度が低いので、 さらに沢山の人に使っていただける可能性が高く、 使用率はさらに2倍の15%まで上昇するのではないかと考えています。 スプレーと違い、 ペーパーはニオイの素を拭き取って除去でき、 使用後の爽快感も魅力です。 生活定番品になる可能性の高い剤型だと思っています。 

当社も、 こういったペーパー商材は好調です。 ペーパーは化粧品会社の専門領域ではありませんが、 当社は工場に設備を導入し、 生産・製造を内製化しておりますので、 売上げ・利益ともに貢献度の高い商材となっています。 

「ルシード」成長の新たなステージへ「ギャツビー」新製品の洗顔料が好調

―― 「ルシード」 「ギャツビー」 の現状と今後の方針をお聞かせ下さい。 

亀田氏 「ルシード」 では8月に、 「20周年」 という節目を迎え、 新製品としてヘアワックスとフェイシャルローション・乳液を発売しました。 

男性のミドル層が今後の有望市場だとされながら、 各社とも的確なメッセージを打ち出せず、 圧倒的なブランドを作りきれていない中で、 「ルシード」 はターゲットを明確化し、 より身近で使いやすいブランドとして再スタートを切りました。 その第1弾がまさに今回の新製品で、 ここから 「ルシード」 の次への成長の新たなステージが始まります。 

「ギャツビー」 でも新製品として、 洗顔料とモイストタイプのフェイシャルペーパーを発売しました。 特に洗顔料は、 9月4週の市場データでは単品で№1商品となるなど非常に順調なスタートを切りました。 また、 好調なデオドラントにおいても、 更なる強化を図っていきます。 

2009年10月22日 15:07