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ラクトフェリン摂取とノロウイルス感染性胃腸炎に関する調査結果/森永乳業

森永乳業は、乳由来のたんぱく質であるラクトフェリンに関する研究報告を1963年に初めて発表してから、2013年で50年目を迎えました。

同社では、ラクトフェリンの感染防御作用、特にノロウイルス感染性胃腸炎に対する作用について現在研究を進めています。今回、1本あたり100mg(100mg/本)のラクトフェリン含有食品を継続的に購入している人を対象に、昨秋冬のノロウイルス感染性胃腸炎の罹患状況に関するアンケート調査を実施しました。

その結果、100mg/本のラクトフェリン含有食品を、ほぼ毎日または週に4-5回摂取している人は、週1回程度摂取している人と比べ、医師の問診でノロウイルスの疑い、または検査でノロウイルス確定と診断された人の割合が有意に低いことが分かりました。この結果をラクトフェリン国際会議(10月6-10日、イタリア・ローマで開催)の同社発表の中で紹介します。

◎背景
手指や食物などを介して感染するノロウイルス感染性胃腸炎は、毎年11-12月にかけて急増し、3-4月以降に減少する傾向が見られます。昨冬(2012/2013シーズン)は、ノロウイルス感染性胃腸炎の患者数が増加し、過去10年間で2006/2007シーズンに次いで2番目の高水準となりました。過去の臨床試験では、400mg/日のラクトフェリン摂取が保育園児のノロウイルス感染性胃腸炎の発症率を低下させることが報告されております(長崎大学医学部)。今回は100mg/日のラクトフェリン摂取が、幅広い年齢層でのノロウイルス感染性胃腸炎の発症に及ぼす影響を検討するため、ラクトフェリン摂取とノロウイルス感染性胃腸炎に関するアンケート調査を実施しました。

◎調査方法
2013年3月末時点で、中部地区において100mg/本のラクトフェリン含有食品を継続的に購入している人を対象とし、100mg/本のラクトフェリン含有食品の摂取頻度(表1)、2012年秋-2013年3月の間のノロウイルス感染性胃腸炎と思われる症状での医療機関の受診者割合、医師の診断結果などについて調査しました。

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◎調査結果
ノロウイルス感染性胃腸炎と思われる症状(腹痛、嘔気・嘔吐、下痢)で医師の診断を
受けた人の割合は、100 mg/本のラクトフェリン含有食品の摂取頻度がほぼ毎日の人で、週
1 回程度の人と比較し有意に低いことが分かりました。(図1)
また、医師から問診でノロウイルスの疑い、または検査でノロウイルス確定と診断され
た人の割合も、摂取頻度がほぼ毎日の人と週4-5 回の人で、週1 回程度の人と比較し有意
に低いことが分かりました。(図2)

以上の結果から、100mg/本のラクトフェリン含有食品を毎日継続的に摂取することで、ノロウイルス感染性胃腸炎の発症を抑制できる可能性が示されました。
今後より詳細な調査を行うことで、ラクトフェリンのノロウイルスに対する有効性を追求してまいります。

—-参考情報—-
【ラクトフェリンとは】
ラクトフェリンは、人などの哺乳類の乳汁や唾液などに含まれるたんぱく質で、抗微生物活性や免疫調節作用など、さまざまな生理機能を示すことが知られています。中でも母乳、特に初乳に多く含まれており、抵抗力の弱い赤ちゃんを病原菌やウイルスなどの感染から守る重要な成分として考えられています。

【ラクトフェリンとノロウイルス】
過去の臨床試験から、400mg/日のラクトフェリン摂取がノロウイルス感染性胃腸炎の発症率を低下させることが報告されています。そのメカニズムとして、各種ノロウイルスモデルを用いた研究から、ラクトフェリンがノロウイルスや消化管細胞と結合し、ノロウイルスの消化管細胞への感染を抑制すること(以下URL参照)、ラクトフェリンが感染した消化管細胞にⅠ型インターフェロン(抗ウイルス性サイトカイン)を誘導し、感染した消化管細胞におけるノロウイルスの複製を抑制することが示唆されています。

【森永乳業のラクトフェリンへの取り組み】
森永乳業は、育児用ミルク開発のためにラクトフェリンの研究を開始し、1963年に研究報告を初めて行いました。1986年には世界で初めて育児用ミルクにラクトフェリンを配合し、その後もヨーグルトや機能性ミルク、サプリメント等に応用してきました。また、2003年には「ラクトフェリンの工業的な製造法の開発」で文部科学大臣賞を受賞しています。

※詳細は下記URLをご参照ください
◎森永乳業株式会社 2013年9月9日発表
http://www.morinagamilk.co.jp/download/index/6730/130107.pdf

2013年09月09日 17:57

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