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カマンベールチーズの摂取により「アルツハイマー病」の予防効果を確認/キリン

キリン株式会社の基盤技術研究所は、小岩井乳業株式会社、国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科と共同で、カマンベールチーズの摂取がアルツハイマー病への予防効果があることを確認し、さらに、その中に含まれる有効成分として、オレイン酸アミドとデヒドロエルゴステロールを発見しました。
この研究成果は米国科学誌「PLOS ONE(プロスワン)」に2報に渡る論文◇として掲載されます。

日本国内では急速な高齢者の増加に伴い、認知症は社会的な関心事となっています。現在、日本で460万人、世界で2400万人近くが認知症を患っているとされています。しかし、アルツハイマー病に代表される認知症には十分な治療方法が開発されておらず、日々の生活を通じて予防する取り組みが注目を集めています。CSV活動の一環として、食による健康の増進に取り組むキリングループでは、近年急速に解明が進んでいる脳科学の領域の研究を進めています。

今回、カマンベールチーズに、脳内の老廃物を除去するミクログリアの機能活性化に有効で抗炎症活性を示すこれらの成分が含まれることを明らかにすることで、カマンベールチーズの摂取によるアルツハイマー病への予防効果のメカニズムを初めて明らかにしました。

チーズなどの発酵乳製品を摂取することにより老後の認知機能低下が予防されることは、疫学の分野ですでに報告されていますが、認知症への予防効果のメカニズムや有効成分は分かっていませんでした。今回の研究ではこの点に着目して、市販のカマンベールチーズの摂取によるアルツハイマー病への作用を検証しました。その結果、アルツハイマー病モデルマウスにカマンベールチーズから調製した餌を摂取させると、脳内のアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの沈着が有意に抑制され、脳内の炎症状態が緩和されることが確認されました。

– メーカー資料 –

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さらに今回、有効成分としてカマンベールチーズにオレイン酸アミドとデヒドロエルゴステロールが含まれていることを発見しました。オレイン酸アミドは、脳内のアミロイドβなどの老廃物を除去する役割を担うミクログリアと呼ばれる細胞を活性化しながら抗炎症活性を示す成分です。また、デヒドロエルゴステロールは、抗炎症活性を示す成分です。これらの成分は、乳の微生物による発酵過程で生成されたと考察しています。

◇米国科学誌雑誌名:「PLOS ONE」に掲載
(1)論文タイトル:
Preventive effects of a fermented dairy product against Alzheimer’s disease and identification of a novel oleamide with enhanced microglial phagocytosis and anti-inflammatory activity.
著者:Yasuhisa Ano, Makiko Ozawa, Toshiko Kutsukake, Shinya Sugiyama, Kazuyuki Uchida, Aruto Yoshida, and Hiroyuki Nakayama DOI番号:10.1371/journal.pone.0118512
(2)論文タイトル:
Identification of a novel dehydroergosterol enhancing microglial anti-inflammatory activity in a dairy product fermented with Penicillium candidum.
著者:Yasuhisa Ano, Toshiko Kutsukake, Ayaka Hoshi, Aruto Yoshida, and Hiroyuki Nakayama
DOI番号:10.1371/journal.pone.0116598
※メーカー発表ページに、「PLOS ONE」へのリンクがございます。

※詳細は下記URLをご参照ください。
◎キリン株式会社 2015年3月12日発表
http://www.kirin.co.jp/company/news/2015/0312_01.html

◎キリン株式会社 公式
http://www.kirin.co.jp/

2015年03月13日 13:40

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