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「ドライスキン」に対しミルクセラミドが症状を改善するメカニズムを解明/明治

株式会社 明治は、皮膚の乾燥に伴い、角層で「角層細胞共有結合セラミド」(結合型セラミド)が減少していることを確認しました。さらに、乳由来リン脂質濃縮物(ミルクセラミド)が、結合型セラミドの減少を抑え、皮膚乾燥症状を改善することを、マウスを用いた実験で明らかにしました。この研究成果を5月29日~31日に福岡国際会議場にて開催される「第15回日本抗加齢医学会総会」にて発表します。

健康な肌では、角層に20-30%の水分が常に保たれています。ここで重要な働きをもっているのが角層中のセラミドで、セラミドが減少することで水分が失われ肌が乾燥する(ドライスキン症状を示す)ことが知られています。そして、角層中のセラミドには、角層細胞の角化肥厚膜と言われる部分に共有結合したタイプの「角層細胞共有結合セラミド」(結合型セラミド)と、遊離型セラミドの2種がありますが、結合型セラミドの方が角層構造安定に寄与が大きいと考えられています。※1

このたびの研究では、ミルクセラミドによるドライスキン症状改善のメカニズム解明を目的とし、ミルクセラミドの継続的な摂取が、ドライスキン症状と角層中の結合型セラミド量などに与える影響を評価しました。

■研究1:ミルクセラミドは用量依存的に皮膚乾燥症状を改善する
ヘアレスマウスに特殊飼料(HR-AD)を摂取させると、通常飼料の時と異なり、ドライ スキン症状が誘発されます。この時、皮膚の乾燥に伴い、角層中の結合型セラミド量が減少 することが観察されました。これに対し、ミルクセラミドを低用量、高用量の2水準で投与 した結果、用量依存的に、角層水分量の低下が抑制され(図1)、同時に、角層中の結合型 セラミド量の減少抑制(図2)、炎症マーカーの低下も確認されました。

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■研究2:ミルクセラミドに含まれるスフィンゴミエリンは、紫外線による皮膚乾燥に対し予防的に作用する
紫外線は皮膚を乾燥させますが、この時に皮膚中では炎症性サイトカインの増加と、結合型セラミド量が減少しています。これに対し、ミルクセラミドに高濃度に含まれる成分であるスフィンゴミエリンを投与したヘアレスマウスでは、投与していないマウスと比較し、紫外線照射によるドライスキン症状が抑制され、同時に、角層中の結合型セラミド量の減少抑制、炎症マーカーの低下も確認されました。

これらの結果により、ミルクセラミドは、角層における結合型セラミドの減少を抑制することで角層構造を安定化させ、ドライスキン症状を改善することが示唆されました。角層構造が整っていることは、肌の乾燥を防ぐことができ、見た目に美しいだけではなく、体内への異物の侵入を防ぐという機能面からも重要です。今回の研究成果から、ミルクセラミドの継続摂取が、様々な肌トラブルの予防、改善に貢献する可能性が明らかとなりました。

※1:引用文献
Takagi Y et al., J Invest Dermatol. 2004; 123(6):1102-9.
Meguro S et al., Arch Dermatol Res. 2000; 292(9):463-8.
Behne M et al., J Invest Dermatol. 2000; 114(1):185-92.

※詳細は下記URLをご参照下さい
◎株式会社 明治 2015年5月29日発表
http://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2015/detail/20150529_01.html

◎株式会社 明治 公式サイト
http://www.meiji.co.jp/

2015年05月29日 15:20

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