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血管力と皮膚性状の関係を発見/花王

花王株式会社は、ヒトの健康的な美しさをさらに高いレベルで実現することを目的に、皮膚科学研究と、健康科学研究の融合を図り、「皮膚も身体の一部」という視点を加えた「生命美容科学」研究の領域に注力していきます。その一環として、花王・ヘルスビューティ研究所では、血管力*1 が高い人は、皮膚性状(肌荒れの有無)が良好であることを見出し、皮膚性状の指標として、血管力が有効であることがわかりました。さらに、血管力が高い人は、ストレス度や体調悩み意識(冷え性、血行、睡眠の質、疲れやすさなど)も低いことを確認しました。花王では、このような皮膚を身体の一つととらえた「生命美容科学」に着目し、研究をさらに進めていきます。

*1 血管力
外部環境の変化に応じて血流を調節する力、皮膚血流調節能を意味します。ここでは、冷水負荷後の皮膚温回復率で計測しています。冷水負荷後の皮膚温回復率とは、冷水負荷(15℃の冷水に1分間手を浸漬)後、手を冷水より引き上げ、直後のサーモグラフィー画像により、指先の皮膚温度を測定します。その後、10分後の指先の皮膚温度を測定して、皮膚温回復率を算出します。・血管力の高い人:10分後の皮膚温回復率≧70%、・血管力の低い人:10分後の皮膚温回復率<70%

■「生命美容科学」研究に基づく、今般の研究成果
今般「生命美容科学」研究の一環として、皮膚性状と血管力、特に皮膚性状の季節変化と血管力との関連を調べるため、女性37名(30代18名、50代19名)に対して、同一個人について夏季、冬季の各1回ずつ皮膚性状(肌荒れ;頬、前腕、すね)を測定*2 しました。夏季の皮膚温回復率の計測から、血管力の高い人(N=14)、低い人(N=23)で2群にわけ、皮膚性状の季節変化を比較検討した結果、夏季の血管力が高い人では、冬季において、顔、体の両方で鱗屑(りんせつ)*3 ができにくかったのに対し、血管力が低い人では冬季に鱗屑が悪化しやすいことがわかりました(図1)。このことから、血管力は、季節変化などの外部環境が変化した際の皮膚の状態と関連していることがわかりました。

*2 皮膚性状の測定:鱗屑(りんせつ)スコアとして評価します。
皮膚性状(肌荒れ)として頬、前腕、すねの鱗屑を測定し、鱗屑が無いものから鱗屑が極めて進行した状態までを5段階に区分し、各段階の代表的な写真を基準にして鱗屑状態がいずれの段階に属するかを判断します。

20160730_r02.jpg

*3 鱗屑(りんせつ)
皮膚表層の角化が不完全な状態で角層が剥がれ落ちることであり、鱗屑状態が悪化すると、肌が白く粉をふいたような外観、あるいは角質がめくれあがったような外観となります。

さらに、同様に、血管力の高い人(N=14)、低い人(N=23)の2群に対して、ストレス度*4 および体調悩み意識*5 についても比較検討した結果、血管力が高い人は、ストレス度および体調悩み(冷え性、血行、睡眠の質、疲れやすさなど)の意識が低いことがわかりました(図2)。

*4 ストレス度
ストレスチェックリスト(SCL)。1980年に日本大学の村上氏と桂氏らが開発したもので、身体的症状に関する30項目の質問で、ストレス状態を判定します。SCL30の得点が高いほど、ストレス度が高くなります。

*5 体調悩み意識
ご自身で記入いただく形式のアンケートで、[冷え性/血行/睡眠の質/疲れやすさなど]の質問に対して、「そう思う」から「そう思わない」までの4段階と「どちらともいえない」の計5段階に区分します。回答が悩みに該当する割合は「そう思う」および「ややそう思う」と回答した合計の割合です。

※詳細は下記URLをご参照ください。
◎花王株式会社  2015年7月27日発表
http://www.kao.com/jp/corp_news/2015/20150730_001.html

◎花王株式会社  公式サイト
http://www.kao.com/jp/

2015年07月30日 14:25

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