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紫外線カット機能が持続 油中水(W/O)型ファンデーション製剤を開発/ポーラ化成工業

ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社は、より多くの水溶性成分と紫外線カット粉体を含みながら界面活性剤※2 の配合率が従来品より少なく、汗、皮脂にさらされても美しい仕上がりが持続する油中水(W/O)※1型ファンデーション製剤を開発しました。

ポーラ化成工業では昨夏にも、エラストマー型(高分子量)界面活性剤を用いることで水溶性成分を安定に配合し、同時に粉体の分散性を向上させる製剤技術を確立、美しい仕上がりとみずみずしい感触を併せ持つファンデーションの開発に成功※3 していますが、今回はさらに応用し、主に持続性という点で進化させました。この技術はクリーム状やリキッド状の乳化※4 型ファンデーションに幅広く応用可能であり、ポーラ・オルビスグループのオルビス株式会社から今夏発売される化粧品に活用される予定です。

※1 油中水(W/O):油の中に水滴が分散している状態
※2 界面活性剤: 水と油の両方になじみやすい部分を併せ持ち、水にも油にも溶けることで水溶性物質と油溶性物質を均一に混ぜ合わせる物質
※3 2015 年 7 月 16 日 ニュースリリース「美しい仕上がりとみずみずしい感触を両立した油中水(W/O)型ファンデーション製剤を開発」参照
※4 乳化 : 相互に交じり合わない液体(水と油)をよく混ざり合った状態にすること

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■開発の背景
近年、ファンデーションにもスキンケア効果が求められており、夏用の商品では美白成分だけでなく、より多くの保湿成分や紫外線カット粉体などが配合されるようになってきています。乳化型ファンデーションは、水・油・界面活性剤からなる乳化物の中に粉体が分散した製剤ですが、美白・保湿などの水溶性成分や粉体を安定かつ多量に配合するためには界面活性剤を増やす必要があり(図1)、その結果汗(水)や皮脂(油)を抱えこみやすくなり、化粧持ちが悪くなることで、美しい仕上がりや紫外線カット効果の持続性が低下するという課題がありました。

そこで、より多くの水溶性成分と紫外線カット粉体を含むにも関わらず、界面活性剤の配合率は従来品より少ない油中水(W/O)型夏用ファンデーション(新規製剤)を開発しました。

■ 美しい仕上がりの持続、紫外線カット機能の持続性を確認
今回の新規製剤について、夏場に増加する汗や皮脂が、本製剤の仕上がりの持続性や紫外線カット機能に与える影響を評価しました。

1) 仕上がりの持続性に対する皮脂の影響
春から夏の日中 10 時間に分泌される総皮脂量と同じ量の人工皮脂と製剤を混合した塗布膜を作製し(塗布 10 時間後モデル)、混合する前の塗布膜(塗布直後モデル)と比較をしました。その結果、従来品(図 2 青線)は皮脂の影響で色がくすむ方向に変化しますが(黄暗くなる)、新規製剤では逆に明るくなる方向に変化することが分かりました (図 2 赤線)。

2) 紫外線カット機能の持続性に対する汗の影響
製剤を塗布したプレートを人工汗に浸漬し、30 分間撹拌した後の SPF 値の維持率で比較をしました。その結果、従来品では維持率の低下が認められましたが、新規製剤では大きな変化は認められませんでした(図 3)。

 

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【詳細は下記URLをご参照下さい】
ポーラ化成工業株式会社 2016年5月18日発表
ポーラ化成工業株式会社 公式サイト

 

2016年05月18日 18:33

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