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日本人における加齢に伴う腸内細菌叢の変化を確認/森永乳業

我々の腸内細菌叢は、加齢に伴いそのバランスが変化すると言われておりますが、各年代の違いを詳細に解析した研究はこれまで報告がありませんでした。そこで森永乳業は、神戸大学 大澤朗教授との共同研究にて、0歳から104歳までの健常者367名を対象に腸内細菌叢を解析、比較いたしました。

結果、加齢に伴う腸内細菌の連続的な変化には数パターンが存在し、加齢にともない減少する菌群、加齢に伴い増加する菌群、成人のみ占有率の高い菌群、乳幼児と高齢者で占有率の高い菌群などが存在することが明らかとなりました(図1)。更に、70歳を越えた時点で高齢者型の腸内細菌叢構成になる健常者が多いことなども示されました。

これまで多くの研究にて病態者と健常者を比較することで腸内細菌叢と疾病との関連性が報告されておりますが、個人差が大きいこと等を理由に健康な腸内細菌のパターンについては未だ明らかにされておりません。今後も引き続き健常者の腸内細菌データを収集することで、目指すべき理想の腸内細菌叢を明らかにしていきたいと考えております。なお、本研究成果はオンライン科学雑誌『BMC microbiology』(5月25日付)に掲載されました。

 

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■研究の背景と目的■
1970年代、東京大学の光岡知足(みつおか ともたり)名誉教授は培養法を用いて、加齢に伴い腸内細菌のバランスは劇的に変化することを示し、その模式図が長年広く引用されてきました(図2)。

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その後、腸内細菌叢を解析する技術は飛躍的に向上し、それまで培養されていた腸内細菌は全体の20~50%程度でしかないことが明らかにされてきましたが、前述した模式図(図2)を更新できるような大規模な腸内細菌解析は行われてきませんでした。現在、世界中で腸内細菌の研究が進められ、様々な疾患との関わりが明らかにされておりますが、健常者の腸内細菌の典型といったものは示されておらず、どのような腸内細菌叢構成を目標にすべきかについては未だ結論に至っておりません。そこで本研究では、今後の腸内細菌研究の基盤と成りうる日本人健常者の腸内細菌叢構成を年代別に明らかにすることを目的に、幅広い年代の腸内細菌叢を解析いたしました。

【詳細は下記URLをご参照下さい】
森永乳業株式会社 2016年5月26日発表
森永乳業株式会社 公式サイト

 

2016年05月26日 13:54

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