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「理研BSI-花王連携センター」を開設/花王

理化学研究所(理研)と花王株式会社(花王)は、4月1日に理研脳科学総合研究センター(理研BSI)内に「理研BSI-花王連携センター」を開設しました。

本連携センターの理念は、理研BSIが持つ神経生理学・発生工学・イメージング技術・神経行動学に関する世界最先端の知見と、花王が持つ化学・分子生物学・生化学・細胞生物学技術を融合させることにより『感性の脳科学』の解明をめざし、相互の利益のみならず、社会に共に貢献する、ことです。直近の目標に限らず双方の知識共有・意見交換を広く活発に行ない、互いの持てる潜在的な知識・技術の融合を十分に発揮できる体制を構築して、イノベーティブな成果の創出を図ります。

■背景
理研BSIでは1997年の設立以来、脳科学における要素技術の開発と、神経回路を中心とする脳機能の解明に向けた基礎研究を実施してきました。一方、花王は、消費者のニーズと独創的なシーズを融合させ、革新的な商品を開発してきました。幅広い領域の先端の科学技術を掘り下げ、物質や現象のしくみを解き明かす基盤技術研究と、技術を実用化する商品開発研究が相互に連携し、消費者と顧客の立場に立った“よきモノづくり”を推進しています。

このような理研BSI、花王の両者が持つ潜在的な知識・技術の融合を十分に発揮し、感性情報から脳内認知・意思決定へと至る神経回路機構の解明や、感性入力から情動発現・情動記憶・行動発現を司る神経回路機構の解明に挑むことを目的に、理研内に花王との連携センターを設置することで合意しました。

花王は、これまでの機能価値からのモノづくりに加えて、モノの感触や形状、色や香りなど五感を通した情緒的な価値判断やそれに伴う行動特性を踏まえて、真に生活者の心に響く“よきモノづくり”を進めています。理研BSI-花王連携センターは、そのような花王の取り組みやニューロマーケティングなど、『生活志向の脳研究』に貢献するとともに、感性認知、感性情動など新たな概念の確立を通して脳科学のさらなる発展をめざします。また、セミナー等を通して相互の人材交流を促進し、共同で取り組む研究の方向性を総合的に検討するなど、相互の知識・情報・技術の融合をめざします。

■「理研BSI-花王連携センター」の概要

1.組織名
理研BSI-花王連携センター
(略称:BKCC/ RIKEN BSI-KAO Collaboration Center)
連携センター長:岡本 仁(理研脳科学総合研究センター副センター長)

2.所在地
理研脳科学総合研究センター(埼玉県和光市広沢2番1号)内

3.開設期間
2016年4月1日から2021年3月31日までを予定

4.業務内容
感性認知研究
末梢感覚器で受容された感覚情報がどのように脳へと伝達され、処理され、認知されて、意思決定へと至るのか、その神経回路メカニズムを探求。

感性情動研究
多様な感覚入力によって誘起される快・不快の情動・行動発現機構および感覚刺激と報酬・罰との連合学習によって獲得される情動記憶の神経回路メカニズムを探求。

■各社の概要
1.理化学研究所
理化学研究所は、科学技術(人文科学のみに係るものを除く)に関する試験および研究などの業務を総合的に行なうことにより、科学技術の水準の向上を図ることを目的とし、日本で唯一の自然科学の総合研究所として物理学、工学、化学、生物学、医科学などにおよぶ広い分野で研究を進めています。研究成果を社会に普及させるため、大学や企業との連携による共同研究、受託研究等を実施しているほか、知的財産権の産業界への技術移転を積極的に進めています。

2.理化学研究所脳科学総合研究センター
理化学研究所脳科学総合研究センター(理研BSI)は、1997年10月に設立されました。理研BSIは、わが国の脳科学研究の中核拠点として国内外から優れた研究者を結集し、総合的な研究を展開しています。設立以来、数多くの優れた研究成果と人材を輩出し、世界有数の脳科学の研究拠点として国際的な認知を得ています。学際的かつ融合的な研究体制を特徴とし、脳のミクロな分子機構にはじまり、神経細胞、神経回路、よりマクロな現象である認知や記憶と学習の仕組み、さらに言語の獲得、脳とコンピューターなど、個体、行動、社会までを対象として、理論と実験を交えながら、医学、生物学、物理学、工学、情報科学、数理科学、心理学など多彩な学問分野を背景にした研究を進めています。

3.花王株式会社
<花王株式会社の研究開発>
花王は、世界の人々の「豊かな生活文化の実現」と「社会のサステナビリティ(持続可能性)への貢献」を使命としています。1887年の創業以来、その原動力となる研究開発の特徴は、「ヒトと物質」の両面から行なっている幅広い分野における本質研究です。界面科学研究にはじまり、高分子科学研究、皮膚科学研究、健康科学研究、2009年に「環境宣言」を発表し、広範な科学領域における本質研究を進めています。社内外と連携して、新たなイノベーションを創出することで、社会的課題の解決に向けた付加価値の高い、心から満足いただける“よきモノづくり”に取り組んでいます。

■補足説明(産業界との連携センター制度)
企業からの提案を基に、理研の各センター内に「連携センター」を設置し、中・長期的な課題を実施する産業界との包括的な連携の場を提供するため、2007年2月に整備した制度です。「産業界との連携センター制度」は、これまで理研が実施してきた、企業が主体となって具体的な研究目標を設定する「産業界との融合的連携研究プログラム」などの制度とは異なり、中・長期スパンで目標設定を行なえる点、企業名を冠することができる点が特徴となっています。この取り組みにより、理研は産業界との連携をさらに発展させ、理研と企業が共同で新分野を切り開く研究領域を育成し、理研と企業双方の文化を吸収した人材の育成をめざしています。

理研BSIには現在までに以下3つの連携センターが設置されています。

理研BSI-オリンパス連携センター(2007年6月設置)
理研BSI-トヨタ連携センター(2007年11月設置)
理研BSI-タケダ連携センター(2012年3月設置)

【詳細は下記URLをご参照下さい】
花王株式会社 2016年5月31日発表
花王株式会社  公式サイト

[ 特 集 ] 機能性表示食品制度[機能性表示対応素材] 《更新随時》

2016年05月31日 17:36

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