肌の弾力維持にタンパク質「DDR2」が重要な役割を果たすことを発見/ファンケル 【プレスリリース】

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肌の弾力維持にタンパク質「DDR2」が重要な役割を果たすことを発見/ファンケル

株式会社ファンケルは、肌の弾力維持に重要なコラーゲンの分解を制御する研究を行い、2014 年から細胞とコラーゲンをつなぎとめる機能を持つコラーゲン受容体(1)タンパク質「DDR2(2)」に着目してきました。そして今回、肌の弾力性や柔軟性に重要な役割を持つエラスチン線維(3)の形成にコラーゲン受容体タンパク質「DDR2」が関与することを発見しました。

「DDR2」は、損傷したコラーゲンの再構築に関与することは知られていましたが、その機能の詳細は解明されていませんでした。今回の発見により、「DDR2」が肌の老化制御に働く可能性が期待できます。なお、同研究結果は 2017 年 9 月 27 日~30 日に開催された第 47 回欧州研究皮膚科学会(47th AnnualESDR Meeting)にて口頭発表しました。

<研究成果>
【「DDR2」がエラスチン線維の形成に関与することを発見】
紫外線を受けると、真皮中のコラーゲン線維は損傷しますが、線維芽細胞(4)に存在する「DDR2」が損傷部位を認識し、新しいコラーゲンの合成を開始させる「シグナル分子」として働くことが分かっています。

同研究では、紫外線を照射して損傷させたコラーゲン線維を線維芽細胞に添加し、「DDR2」の働きによるⅠ型コラーゲンコラーゲンを分解する酵素MMP1(5)、エラスチン線維の形成に関わるタンパク質EMILIN2(6)について調べました。その結果、損傷したコラーゲン線維の添加によって、Ⅰ型コラーゲン、MMP1、EMILIN2 の遺伝子発現量が増加しました。

さらに「DDR2」の働きを止める阻害剤を添加すると、遺伝子発現量はいずれも減少することが分かりました(図 1)。一連の結果を総合して「DDR2」は、損傷したコラーゲン線維を認識して分解しながら合成を促進する「コラーゲンの再構築」に関与するだけでなく(図 1 青枠)、エラスチン線維の形成にも関与することを発見しました(図 1 赤枠)。

【老化による「DDR2」の減少がエラスチン線維形成を低下させることを発見】
「DDR2」は、線維芽細胞の老化により減少します。そこで、老化による真皮弾力性の低下との関連性を調べました。「DDR2」を減少させた線維芽細胞を作成し、EMILIN2とエラスチンの生成量を測定しました。その結果、「DDR2」を減少させていないコントロール細胞と比較すると、「DDR2」を減少させた細胞は、タンパク質量が約半分に低下していました (図 2)。

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老化によって「DDR2」が減少すると、エラスチン線維の形成に関連するEMILIN2 とエラスチンの生成量も減少し、その結果、エラスチン線維の形成が制御されて真皮の弾力低下につながる可能性があることを発見しました。以上から、「DDR2」がエラスチン線維の形成に関与している発見だけでなく、老化による「DDR2」の減少が、紫外線や加齢に伴う肌の弾力性の低下に関与するという「DDR2」の新しい機能についても確認しました。

<研究背景>
肌の真皮は、主としてコラーゲンエラスチンなどの線維構造で構成されており、エラスチン線維はコラーゲン同士を結びつけて網目状に構成することで肌の弾力性や柔軟性を保つ重要な役割を持ちます。真皮に存在する線維芽細胞は、これらの線維タンパク質の分解や再生を制御していますが、その機能は老化と共に低下していきます。

同研究では、この線維芽細胞に存在し、コラーゲンの受容体である「DDR2」の機能に着目しました。「DDR2」は真皮中で壊れたコラーゲンを認識して、コラーゲンを分解して新しく再構築し、自然に治していく役割があると考えられています。

しかし、肌の老化制御における働きについては不明でした。そこで、紫外線照射により損傷を受けたコラーゲンを「DDR2」が認識し、老化制御に働くかどうか調べるために、コラーゲンだけでなく、肌の弾力性を保つために必要なエラスチン線維についても研究を進めました。<同研究結果の応用展開>紫外線による真皮のDNA損傷やコラーゲンの分解などにより、しわやたるみを引き起こすことが知られています。

同研究では、真皮のコラーゲン修復に重要な役割を果たす「DDR2」が、コラーゲンだけでなくエラスチンの線維形成を調整することが分かりました。また、老化によって「DDR2」が減少することが、これらの形成を遅延させ、弾力の低下の一因になると考えられました。今後もさらに研究を進め、「DDR2」の減少を制御する効果的な素材探索を行い、新しいコンセプトのアンチエイジング化粧品の開発に応用してまいります。

【用語解説】
(1) 受容体:特定の刺激物質を受け取り、情報を伝達する物質
(2) DDR2(Discoidin Domain Receptor 2):線維芽細胞に存在し、損傷したコラーゲンを認識してコラーゲンの再構築に関連するタンパク質
(3) エラスチン線維:弾力線維とも呼ばれ、コラーゲン線維を支える役割がある
(4) 線維芽細胞:真皮に存在する細胞で、コラーゲンエラスチンなどを産生する細胞
(5) MMP1 (Matrix Metalloproteinase 1):真皮の主要コラーゲン線維であるⅠ型コラーゲンを分解する酵素
(6) EMILIN2 (Elastin Microfibril Interfacer 2):エラスチンを沈着させて線維状にするために足場となるタンパク質の一種

◆リリースに関する報道関係者の皆様からのお問合せ先
株式会社ファンケル 社長室 広報グループ
TEL:045-226-1230 FAX:045-226-1202


【詳細は下記URLをご参照ください】
株式会社ファンケル 2018年1月5日発表
株式会社ファンケル

 

 

2018年1月 9日 19:52 [研究報告]
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