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高精度・高速、バタつきに強い「ラインスキャン膜厚計」を新発売/大塚電子

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大塚電子株式会社は、フィルムやフィルムコート膜の膜厚をインライン*1で全幅・全長測定する「ラインスキャン膜厚計」を12月5日に発売します。また、12月5日から7日の期間で開催される「高機能フィルム展」(会場:幕張メッセ)に実機を展示します。

高精細化が進むスマートフォン・タブレット端末、車載用表示器などの製品で使用される光学フィルムをはじめ、電池、食品包装、医療、農業など様々な分野においてもフィルムに要求される品質は高まっています。品質管理において、膜厚は重要な評価項目の一つです。
例えば、スマートフォンに使用される反射防止フィルムは、室内光や太陽光の画面への映り込みを防止する役割がありますが、膜厚にムラがあると画面の位置によって見え方が異なることがあり、本来の効果を得るためには膜厚を正確に制御する必要があります。従来の自動測定方式では、フィルム製造工程において膜厚を点で測定するため全面検査することができず、基準値から外れた検査値が出たときは測定箇所の周辺部分を大幅に切断および廃棄することになり、歩留まりなど生産効率の向上が課題となっていました。

分光膜厚測定のパイオニアである大塚電子が開発した「ラインスキャン膜厚計」は、独自の分光干渉法*2に新たに開発した高速・高精度膜厚演算処理技術を組み合わせることで、最短0.01秒毎の測定間隔で500mm幅(1台使用時)のフィルムの膜厚測定が可能です。

フィルム全面をラインスキャン方式で膜厚評価をすることで全幅・全長測定が可能になり、基準外の膜厚箇所を的確に判断します。また、幅広のフィルムに対しては、本製品を複数台配置することで同様の測定結果が得られます。さらに、フィルムのバタつきやシワの影響も受けにくく、多岐にわたる分野でフィルムの品質管理のレベル向上に貢献することが期待できます。

*1 インライン(測定):製造工程(ライン)において自動測定行為が含まれること
*2 膜の表面で反射した光と、膜を透過して裏面で反射した光は互いに干渉を起こす、という性質を利用して膜の厚みを測定する方法。検量線が不要な光による計測で高い安定性が特長。

大塚電子は、1970年の設立以来「光でモノを診る会社」として医療、計測、理化学の分野において機器や装置の開発・製造・販売を行っています。今後も、患者さん、医療従事者、企業ならびに研究機関の皆様が真に求めているものを探求し、そのニーズを解決するために、「光の色・明るさを測る、素材の形状・厚みを測る、粒子の大きさを測る、人々の健康を診る」といった光計測技術を駆使し、独創的な製品を通じて社会に貢献します。

■ ラインスキャン膜厚計 概要
製品名/ラインスキャン膜厚計
サイズ/W81 X D140 X H343 mm
繰返し性/0.04μm(2.3σ)以下 *3
質量/4 kg
厚み範囲/2μm ~ 250μm
測定幅/500mm/台
位置分解能/約 1mm ~
測定間隔/10ms ~
電源/AC 100 ~ 240V 50/60Hz
メーカー希望小売価格/1,500万円~
基本機能
1) 幅(TD)・流れ(MD)方向の2次元膜厚分布表示
2) 指定位置膜厚トレンド表示
3) OK・NG判定
4) 全膜厚値のデータ自動保存
5) 条件レシピの保存・読出し
測定対象
1) 位相差フィルム*4
2) フィルム上各種コート膜(ハードコート、接着層、レジスト等)
3) 各種原反フィルム(PVA、PET、TAC、PP等)
4) フィルムコンデンサ用誘電体フィルム
5) MLCC*5用キャリアフィルム
6) 食品包装フィルム、パック
7) 加飾フィルム原反

*3 10μmのフィルム(屈折率1.6)を10回連続測定
*4 位相差フィルム:x軸方向とy軸方向で屈折率が異なるフィルム。画像表示パネルの視野角特性(正面や斜めから視認した時の見え方)の改善や、外光の反射を抑制するために用いられる。
*5 MLCC:積層セラミックコンデンサ(Multi-Layer Ceramic Capacitor)

【詳細は下記URLをご参照ください】
大塚電子株式会社  2018年11月26日発表(リリース)
大塚電子株式会社  ホームページ

2018年11月26日 17:50

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