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シワの原因となる好中球を皮膚に集まりにくくする成分を発見/ポーラ化成工業

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社は、シワの原因となる好中球を皮膚に集まりにくくする化粧品成分を見出しました。

好中球は、血管から皮膚に移動し、シワの原因となる好中球エラスターゼを放出します。好中球エラスターゼを阻害するNEI-L1(ニールワン)®※1とともに、皮膚のエイジングケアへのサポートが期待できます。この知見は、ポーラ・オルビスグループの商品に活用される予定です。

※1 2016年に「シワを改善する」効能・効果に対する初の承認を受けた医薬部外品の有効成分
参考リリース:(2016年7月14日) 「史上初!「シワを改善する」効能の医薬部外品 ポーラ化成工業が製造販売承認を取得」
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20160714.pdf


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■ シワ形成のメカニズムと本研究の着眼点
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シワの形成には、「好中球」が関与していると考えられています。「好中球」は免疫細胞であるリンパ球の一種です。皮膚が紫外線や表情圧などの刺激にさらされた結果、真皮で炎症が生じると、普段は血管にいる好中球が寄り集まり、好中球エラスターゼという分解酵素を過剰に分泌します。

これによりコラーゲン、エラスチンなどの真皮を構成する成分が分解され、シワが形成されると考えられています。

ポーラ化成工業ではこれまでに、好中球エラスターゼの活性を阻害する成分ニールワンの開発に成功しています※2。もしもニールワンとは異なる方法で皮膚での好中球の働きを抑えることができれば、より効果的なアンチエイジングが期待できます。

そこで、皮膚に好中球が過剰に集まらないようにすることはできないかと考え、研究を進めました。

※2 日本で初めてのシワ改善薬用化粧品「リンクルショット メディカル セラム」に活用

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■ 血管の壁に働きかけ好中球を通しにくくする成分を発見
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好中球は普段、赤血球等と一緒に血管内を流れていますが、周りの組織に炎症などが生じると、まず血管の内壁に接着し、それから壁を通り抜けて炎症部位に浸み出していきます。皮膚内の好中球を増やさないためには、血管の内壁への好中球の接着を予防することが有効だと考えられます。そこで、血管内壁を構成する細胞による、好中球の接着を促す因子※3の発現を抑える成分を探索しました。その結果、桃の葉から抽出される油溶性エキスに効果を見出すことができました(図1)。

※3 好中球接着促進因子

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■ 好中球を皮膚に呼び寄せる因子を抑制する成分を発見
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真皮の線維芽細胞は、紫外線や表情圧などの刺激により好中球を呼び寄せる因子※4を分泌します。真皮線維芽細胞を用いて、この因子の発現を抑える成分を探索した結果、シクロヘキシルグリセリン(CHG)とスギナエキスにその効果を見出すことができました(図2)。

※4 好中球遊走因子

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■ 組み合わせて使うことで多面的に好中球の働きを抑制
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今回見出した油溶性桃葉エキス、CHG、スギナエキスは、老化の原因となる好中球が皮膚内に増えすぎないよう働きかけていると考えられます。これにより、新たに好中球自体に対する働きかけが可能となりました。好中球が分泌する好中球エラスターゼに対して働くニールワンと組み合わせると、好中球を多面的に抑制でき、より効果的なエイジングケアが期待できます。

【詳細は下記URLをご参照ください】
ポーラ化成工業株式会社 2019年10月8日【PDF】発表
ポーラ化成工業株式会社 公式サイト

2019年10月08日 18:05

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