健康と美容のニュースなら健康美容EXPOニュース

オウバクエキスが破骨細胞の形成を抑制する効果を確認/ライオン

ライオン株式会社は、歯周病※予防の有効成分として使われる生薬の一つであるオウバクエキスが、歯槽骨吸収に関与する破骨細胞の形成を抑制することを確認しました。この知見は、歯槽骨を含む歯周組織全体に着目した歯周病予防に繋がります。

なお、同研究は、2020 年4月に「第 98 回国際歯科研究学会(International Association for DentalResearch;IADR)」にて誌上発表いたしました。また、関連する研究について、2020 年7月に開催される「第 63 回春季日本歯周病学会学術大会」にて誌上発表する予定です。

※歯肉炎・歯周炎の総称

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 研究の背景
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
一般的に、歯周病を予防するための日常的なオーラルケアに対しては、歯茎の腫れを抑える抗炎症成分や、炎症の原因となる歯周病菌に対する殺菌成分を配合するなど、歯肉に着目したアプローチが主流です。一方、歯周病が進行すると過剰な歯槽骨吸収が起こり、最終的には歯の喪失に至ると言われているにも関わらず、歯周病予防成分による歯槽骨の吸収に着目したアプローチは、ほとんどありません。そこで同研究では、歯槽骨吸収に関与する破骨細胞の形成に対し、歯周病予防成分の一つであるオウバクエキスを作用させ、その影響を検証しました。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 研究の結果
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◎ 実験概要
歯周病予防の有効成分「オウバクエキス」について、歯槽骨吸収に関与する破骨細胞の形成抑制効果を検証し、同様の効果が報告されている、オウバクエキス中に含まれるベルベリン塩酸塩と比較しました。

◎ 研究結果の詳細
市販の破骨前駆細胞を RANKL(100ng/mL)、M-CSF(100ng/mL)により分化誘導し、オウバクエキス(1.25μg/mL(ベルベリン換算:0.2nmol/mL))またはベルベリン塩酸塩添加群(0.2nmol/mL)、コントロール(非添加)群について、破骨細胞の指標である多核 TRAP 陽性細胞数を計測しました。その結果、コントロール群では分化誘導によって破骨細胞の形成が促進されましたが、オウバクエキス添加群はベルベリン塩酸塩添加群と同様に破骨細胞の形成が顕著に抑制されることが確認されました。



以上の結果より、破骨前駆細胞にオウバクエキスを作用させることで、破骨細胞の形成が抑制されることを確認しました。同研究により、歯周病予防成分として認められているオウバクエキスには、従来の抗炎症などの作用のほかに、歯槽骨吸収に関与する破骨細胞の形成を抑制するという新たな歯周病予防に対する作用が見出されました。この知見は、従来の抗炎症など歯肉へのアプローチにとどまらず歯槽骨を含む歯周組織全体に着目した歯周病予防に繋がります。

【詳細は下記URL(PDF)をご参照ください】
ライオン株式会社    2020年6月24日【PDF】公表
ライオン株式会社   公式サイト

2020年06月25日 11:24

関連記事