
局所再発乳癌(がん、second breast cancer)では、早期検出により死亡リスクがほぼ半減することが、国際研究によって示された。
オー ストラリア、シドニー大学公衆衛生学部のNehmat Houssami氏らは、1980~2005年にイタリア、フローレンスの病院を受診し、局所再発乳癌が認められた女性1,044人に関する情報を検討。 455人は同じ側(同側)の乳房、589人は反対側(対側)の乳房に癌が発現した。67%は症候がなく、33%は症状が認められた。
研究 の結果、症状のない早期段階で局所再発乳癌を検出した場合の生存率は、症状が認められてから検出した場合に比べて27~47%高いことが判明。検出感度 は、臨床検査(57%)よりもマンモグラフィ(乳房X線検査)のほうが高かった(86%)が、14%は臨床検査によってのみ検出された。
症 状のない患者では、症状がある患者に比べて癌が小さく、早期癌も多かった(58%対28%)。また、対側癌では、症状のない患者のほうが癌の転移を示すリ ンパ節転移が少なかった。研究結果は、医学誌「Annals of Oncology(腫瘍学)」オンライン版に3月18日掲載された。
Houssami 氏は「今回の研究は無作為化比較試験ではないという限界はあるものの、非無作為化試験における早期検出の効果検討に影響を及ぼす2つのバイアス(リードタ イムと期間)を調整し、さらに同側と対側の両方を評価していることから、従来の報告に比べ有用と思われる」と述べている。(HealthDay News 3月18日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=625130