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シイタケ菌糸体にがん細胞のバリア機能低下を確認

小林製薬はこのほど、 島根大学医学部と共同研究を行ってきたシイタケ菌糸体が、 がん細胞のバリア機能を低下させたことを確認し、 3月29日に岡山市で開催された日本薬学会第130年会で発表した。 

従来のがん免疫療法は、 がん細胞を攻撃する免疫細胞 (善玉免疫細胞) に対して、 がん細胞が 「制御性T細胞」 と呼ばれる細胞をバリアして、 免疫細胞からの攻撃をブロックするので、 これまでそのメカニズムが十分確認できなかった。 

今回、 がん細胞 (メラノーマ・皮膚がん細胞) 移植モデルマウスを用いて、 マウスの足裏にがん細胞を接種し、 シイタケ菌糸体を細胞接種翌日から21日間、 餌に1・0%または2・0%配合して与えた。 

21日目に解剖し、 腫瘍重量と、 胃の下にある免疫機能や血液を貯蔵する機能をもつ脾臓細胞中の制御性T細胞の割合を測定した。 

そうしたところ、 シイタケ菌糸体を与えたマウスは、 シイタケ菌糸体を与えなかったマウスよりも有意に腫瘍重量が減少し、 中でも2・0%投与のマウスは、 投与しなかったマウスの約半分まで減少した。 

以上のことから、 シイタケ菌糸体には、 腫瘍の増殖抑制作用があることを確認。 また、 制御T細胞の割合においても、 シイタケ菌糸体を投与したマウスは割合が有意に減少し、 がんのバリア機能の低下がみられたとしている。 

安全性・有用性を認める「HLC認定制度」開始を報告

また同社は、 経済産業省が打ち出した 「産業クラスター計画」 施策に基づいて連携を図っているNPO法人北陸ライフケアクラスター研究会 (以下、 HLC研究会) が、 客観的なエビデンスのある産学官連携製品の認定を行う 「HLC認定制度」 を立ち上げたことを報告した。 

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HLC研究会は、 ライフケア分野の発展として、 食品と化粧品の研究・開発を目指しており、 産学官連携の学では金沢・北陸先端科学技術大学院大学や富山大学が参画している。 

HLC研究会は2009年7月から、 第三者機関の評価による製品の信頼性向上を支援することを目的に 「HLC認定制度」 を立ち上げた。 基礎試験やヒト臨床試験など客観的なエビデンスから、 製品やその原料に対して 「安全性」 や 「安全性と有用性」 を示す情報があると認める制度で、 安全性の高い製品選びの一つの基準として期待される。 

2010年04月09日 11:30