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骨の感覚神経が骨量の維持に重要な働きをしていることを解明/慶應義塾大学医学部

慶應義塾大学医学部腎臓・内分泌・代謝内科の研究グループ(竹田秀医学部特任准教授、伊藤裕教授ら)は同医学部生理学教室、東京医科歯科大学、埼玉医科大学、米国シンシナティ小児病院の研究グループと共同で骨の感覚神経が骨量の維持に重要な働きをしていることを解明しました。これまで骨と感覚神経の関係についての研究はほとんど行われていませんでした。本研究グループは骨に数多くの感覚神経(注1)が侵入していること、また、この骨内の感覚神経が骨代謝(注2)を調節し、骨粗鬆症の発症や骨の再生に関わっていることを世界で初めて明らかにしました。今後は骨の感覚神経を標的とした新たな骨粗鬆症治療薬開発への応用が期待されます。本研究成果は、英国科学誌「Nature」オンライン版に2013 年5 月5 日(英国時間)に掲載されます。

本研究は、最先端・次世代研究開発支援プログラム(NEXT Program)、科学研究費補助金、グローバルCOE プログラムなどの助成によって行われました。

1. 研究の背景
骨の健康は骨を作る細胞(骨芽細胞)による骨形成と骨を吸収する細胞(破骨細胞)による骨破壊のバランス(骨代謝)を保つことによって維持されています。骨粗鬆症は「骨の強度の低下によって、骨折のリスクが高くなる骨の障害」のことで、近年の高齢化社会の急速な進展にともなって、我が国における骨粗鬆患者は1,300 万人にも達することが予測されています。特に75 歳以上の女性のうち2 人に1 人は骨粗鬆症であるといわれています。また、骨粗鬆症の進行による骨折は、寝たきりの原因となり、QOL(生活の質)を低下させ、死亡率を高めることがわかっています。骨粗鬆症に対する有効な治療薬の開発には骨代謝のメカニズムを様々な視点から研究し、骨の健康維持メカニズムを解明することが不可欠になっています。骨代謝はホルモンなどにより、調節されていることが昔から知られています。また、最近では神経によっても骨代謝が調節を受けることが明らかにされつつあります。しかし、そのメカニズムについては、未解明な部分が多く残されています。

【お問合せ】
慶應義塾大学医学部 腎臓・内分泌・代謝内科学教室
竹田 秀(たけだ しゅう) 特任准教授
TEL:03-5363-3796 FAX:03-3359-2745
Email:shu-tky@umin.ac.jp

※詳細は下記URLをご参照ください

◎慶應義塾大学医学部 2013年5月6日発表
https://news.e-expo.net/pdf/2013/05/keio20130507.pdf

2013年05月07日 13:55

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