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化学農薬を使用せずに炭酸ガスでいちご苗に寄生するハダニを防除するシステムを4月から本格発売/日立化成

日立化成株式会社は、化学農薬を使用せずに炭酸ガスで定植前のいちご苗に寄生するハダニを防除するシステム、簡易水封式いちご苗炭酸ガス処理システム「ポリシャインSB」の全国販売を2015年4月から本格的に開始します。

日立化成は、蓄電デバイス・システム事業の一つとして、コンデンサ(アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ)事業を行っており、産業機器用や車載電装用のほか、再生可能エネルギーを利用した電力システム用などに展開しています。それに伴い、コンデンサの基盤技術の一つである蒸着(*)技術を応用した、食品包装用や農業用の蒸着フィルムも事業化しています。うち農業用途においては、効率的に花や果物、野菜を栽培できる蒸着フィルム「ポリシャイン」を販売し、実績を上げてきました。
いちご苗を栽培する際は、ハダニを防除するために従来型の化学農薬(液体)を散布するのが一般的です。しかし、従来型の化学農薬では、葉の裏の成虫や卵まで完全に防除できないことや、ハダニは、従来型の化学農薬に対する抵抗性が発達しやすく、農薬の効果が低下する可能性があることが課題となっています。ハダニの防除に対しては、炭酸ガスが有効であると知られていますが、その実用化においては、炭酸ガスを密閉することができる気密性に優れるフィルムを用いたシステムが必要とされていました。
そこで、日立化成は、ハダニを防除する条件を再現できるシステムの製品化依頼を受け、簡易水封式いちご苗炭酸ガス処理システム「ポリシャインSB」を開発しました。これは、いちご苗の定植前日に、アルミ蒸着フィルムで形成した空間に苗を入れて、購入側で別途手配した炭酸ガスを注入し、密閉したうえで24時間置くことにより、葉の裏の成虫や卵までほぼ全数死滅させることができるシステムです。

●メーカー資料「システムに含まれるもの(2014年度の事例)」

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日立化成は、2014年より栃木県に限定して販売してきましたが、このたび、全国へ向けて販売を開始します。
既に使用している、ユーザー調査では、「ハダニの大量発生の心配がなく精神的にとても楽になった」などの感想が寄せられています。化学農薬を使用しないので、ハダニに薬剤耐性をつけることなく死滅させることができ、化学農薬を敬遠しがちな消費者へのアピールにも繋がります。
日立化成では、本システムを見学・体験できる施設が用意されています。関心のある方は是非ご来場ください。
*蒸着 : アルミニウムや銅などの金属を高真空中で加熱・蒸発させ、その蒸気を、冷却されたフィルムや紙などの基材表面に付着させ、薄膜を形成する方法。

※詳細は下記URLをご参照ください。
◎日立化成株式会社 2015年3月5日発表
http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/information/2015/n_150305.html

◎日立化成株式会社
http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/index.html

2015年03月06日 16:04

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