がんの遺伝子検査では健康な組織の検査も必要 【海外ニュース】

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がんの遺伝子検査では健康な組織の検査も必要

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がん組織のみを対象に遺伝子検査を実施した場合、患者の半数は適切な治療が受けられない可能性があるという。「遺伝子検査を利用して、がんの原因となる特定の遺伝子を標的とする治療(標的療法)を行う医師が増えているが、多くの場合はがん組織のみを検査し、正常組織との比較を行っていない」と研究著者で米ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授のVictor Velculescu氏は指摘している。

問題は、正常組織にがんの原因とならない遺伝子変異をもつ人が珍しくないことだ。正常組織を無視してがん組織の遺伝子だけに着目していると、無害な変異をがんの原因と勘違いしてしまう恐れがあり、2人に1人が不適切な治療を受けるリスクがあるとVelculescu氏は説明する。誤った診断により、単に治療が効かないこともあれば、治療が有害となる可能性もある。がんの標的療法は特に高額なコストがかかるうえ、重度の副作用がみられることもあるという。

「Science Translational Medicine」に4月15日掲載された今回の研究では、乳房、脳、腎臓、胃、肺、膵臓のがんのほか、血液がんとメラノーマを含めたさまざまながん患者815人の腫瘍組織と正常組織の遺伝情報を比較した。その結果、4分の3の患者に、承認済みの治療法または臨床試験の対象となっている遺伝子変異が認められたが、がん組織と正常組織を比較すると、見つかった変異の約3分の2は患者が生来もつ正常な変異の一部、すなわち偽陽性であることが判明した。

次に、すでに何らかの薬剤または治療法が特定されている遺伝子変異に絞って検討した結果、約3分の1はがんとは無関係の変異であった。全体として、2人に1人に偽陽性の結果がみられたという。この知見に基づき、患者の正常組織とがん組織の両方のDNAを分析すれば、さらに正確に原因を突き止めることが可能になると、研究グループは述べている。

いくつかの障壁を乗り越えれば、すぐにも検査方法を変更することは可能だという。現時点で、米国では保険会社がこのような追加分析を適用対象としていないが、「正常検体に必要な配列決定は比較的少なくて済むため、費用が元の検査の2倍となることはない」とVelculescu氏は述べている。病院やクリニックでも、がん組織と同時に正常組織を採取するよう処置を変更する必要がある。Velculescu氏は、唾液検体を用いれば血液採取を回避できると提案している。(HealthDay News 4月15日)

http://consumer.healthday.com/cancer-information-5/mis-cancer-news-102/comparing-cancer-gene-tests-to-normal-tissue-leads-to-high-false-positive-rate-698408.html
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2015年4月28日 09:51 [検査・診断]|[癌(がん)]|[研究発表]
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