製薬会社からの食事提供で医師の処方パターンが変化する可能性 【海外ニュース】

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製薬会社からの食事提供で医師の処方パターンが変化する可能性

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製薬会社から平均20ドル(約2,000円)未満の食事を1回提供された医師は、提供されていない医師に比べて、ジェネリック薬ではなくその会社が売り込むブランド薬を処方する比率が2倍になることが、新たな研究で判明した。研究著者で米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)フェローのColette DeJong氏によると、食事の回数や金額が増大するほど、ブランド薬を処方する比率も上昇したという。

米国研究製薬工業協会(PhRMA)のガイドラインでは、医師への食事や物品の提供は100ドルまで認められているが、今回の研究では、提供された食事の多くは低額のものであった。「フォーマルな夕食への招待ではなく、ピザを提供するような形であることが多い」とDeJong氏は説明する。

研究の上席著者であるUCSFのAdams Dudley氏は、「医師の処方パターンを変えるのは金額ではなく、製薬会社に借りがあるという気持ちだ。メディケア受給者の場合、自己負担額の中央値はジェネリック薬で1ドル、ブランド薬で40~80ドル。多種類の薬を利用する高齢者にとっては大きな負担となる」と話す。

ただし、今回の研究は因果関係を証明するものではなく、医師は、既に自身が好んで処方している薬剤の情報が提供されるイベントに出席する傾向がある可能性もあると、著者らは指摘している。

一方、PhRMAのHolly Campbell氏は今回の研究に疑問を呈し、「一部の薬剤に関する処方データだけを選り好みしている」と指摘する。また、製薬会社は薬剤の安全性や有効性の情報、新たな適応、副作用などを共有するため、定期的に医師と交流しており、さらに医師の処方パターンは自身の臨床的な知識や経験に大きく影響されると、同氏は付け加えている。

今回の研究では、医師の処方記録と製薬会社が医師に提供した飲食物の金額に関する2つの米国政府データベースを利用して、β遮断薬、ACE阻害薬、コレステロール低下薬、抗うつ薬の4つの薬剤クラス内でそれぞれ2013年に最も多く処方されたブランド薬を特定した。その結果、いずれのブランド薬も全く同一のジェネリック薬はないが、同クラス内に代替となる優れたジェネリック薬が存在していた。

この4種類のブランド薬に関連して、約28万人の医師が約6万3,500件、計140万ドルの利益供与を受けていた。うち95%は食事代で、平均費用は20ドル未満であった。約15万6,000人の医師が4クラスのいずれか1つ以上で20件以上の処方箋を書いていた。

処方量などの因子を考慮しても、食事の提供を1回受けた医師は、各クラス内で他の薬剤よりも、売り込まれたブランド薬を処方する比率がそれぞれ高かった。

この研究は「JAMA Internal Medicine」に6月20日オンライン掲載された。同誌の総合監修者であるRobert Steinbrook氏は、「製薬会社が医師への金品の提供を止め、もっと研究に投資するようになれば、医療システムはさらに改善されるはずだ」と、付随論説で結論づけている。(HealthDay News 2016年6月20日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/doctor-news-206/can-drugmakers-buy-doctors-brand-loyalty-with-cheap-meals-712075.html
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(参考情報)
論文アブストラクト
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2528290

 

2016年7月 4日 12:41 [薬剤情報]
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