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植物性ナノ型乳酸菌SNK利用によるマウスTh17細胞の産生抑制を確認/IHM

株式会社IHMが取り扱う機能性原料:植物性ナノ型乳酸菌SNKは、「Th1誘導剤及びその製造方法」にて特許を取得し、体内の免疫細胞であるTh1細胞とTh2細胞のバランスを調整することが確認できているが、さらに大腸炎のような腸トラブルが発症した状態での免疫系の状態を確認するために、Th17細胞の動態を検証した。

(※参考:Th1、Th2、Th17細胞について)
胸腺で生まれたヘルパーT細胞はナイーブT細胞として胸腺外に放出され、さらに、外来抗原により活性化したCD4+T細胞が、Th1(細胞性免疫)、Th2(液性免疫)、Th17(自己免疫疾患の病態形成に関与)の役割を持つ細胞に分化し、免疫応答を誘導する。

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試験は、マウス30匹を10匹ずつの3群(C:生理食塩水のみ、L:生食+SNK2mg/kg、H:生食+SNK10mg/kg)に分け、15日間経口投与後に腸炎を誘発するデキストラン硫酸ナトリウムを投与して炎症を起こした状態にし、解剖後、各群のTh17細胞割合の解析及びTh17細胞に関与するサイトカイン及び転写因子の遺伝子発現解析を行った。また盲腸、結直腸の病理組織学検査も行った。その結果、マウス回腸パイエル板内のTh17細胞(CD4+ RORγt+)割合について、SNKの用量依存的に抑制できる傾向が有意差をもって確認できた。

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また、結腸組織のMPO(ミエロペルオキシダーゼ)活性も、SNKの用量依存的に抑えられた。MPOは好中球に特異的に存在する炎症マーカーであり、高値が続くことで動脈硬化等の冠動脈疾患との関連性が強いとされている。炎症進行に伴い腸粘膜の損傷ダメージも大きくなるが、病理学的検査における腸粘膜組織の状態について、SNKの用量依存的にダメージを軽減していることが確認できた。

Th17は自己免疫疾患の病態形成に関与するサイトカインであり、産生される際にはIL-6(インターロイキン6)の刺激が関与することもわかっているが、結腸組織内でのIL-6のmRNA発現量が、SNKの濃度依存的に抑えられることが確認できた。IL-6は炎症性サイトカインの一つで、特に関節性リウマチとの関連性が指摘されていることから、前述の結果の裏付けになると考えられる。

これらの結果から、植物性ナノ型乳酸菌SNKの継続使用により免疫細胞レベルで大腸炎疾患の炎症を抑え、病理学的にも粘膜組織のダメージを軽減させる傾向がみられた。特に、自己免疫疾患に関連するTh17細胞の産生を抑制することが確認できたことは、他社素材と差別化できる特徴となり、新たな訴求ポイントとして拡販を行う。

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<植物性ナノ型乳酸菌とは>
長野県木曽地方の伝統食“すんき漬け(赤カブ菜を使用した無塩漬物)”由来の乳酸菌を独自の技術により1ミクロン未満に加工することで、体内への取込量を高めた乳酸菌(殺菌)末。

長野県は男女ともに平均寿命が全国一位(2010年度調査結果)であるとともに、アレルギー罹患率についても全国平均よりも低い健康長寿県だが、特に木曽地方のアレルギー罹患率は長野県全体の三分の一ほどの罹患率であることが疫学調査にて明らかにされている。Th1誘導剤及びその製造方法にて特許取得し、特に免疫バランスを整える作用に優れている。

 

2016年12月08日 09:58