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米国化粧品市場注目の機能性原料

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永廣堂本店はさきごろ、 国内総代理店を務める米国アクティブ・コンセプツ社 (以下、 AC社) の新開発および注目素材の 「原料セミナー」 を都内で開催した。 

AC社は、 食品系原料から化粧品用途の機能性原料まで幅広い素材開発を得意としており、 ヨーロッパやアジア、 南アフリカなど世界各地に供給拠点を有する。 

毎年、 複数の新規原料が提案されるだけでなく、 米国内の化粧品トレンドも紹介されるため、 原料サプライヤーをはじめ、 製造メーカーの研究者など多数がつめかけた。 今回は、 大阪会場と合わせて参加者が約150名にのぼったという。 

永廣堂本店の今井俊郎社長は冒頭、 「香料メーカーとして創業以来、 安全と信頼のある製品の提供をモットーに活動してきた当社も今年12月に115周年を迎える。 新たな事業展開として化粧品原料の取り扱いを開始し、 AC社の代理店となって早10年、 取扱原料のラインアップも充実し、 香料との複合的な提案も支持されている。 美しさに香りはつきもの。 当社の営業方針は香料1㎏からの受注体制であり、 今回紹介する原料とともに香料にも興味をもっていただけたら嬉しい」 と化粧品原料とともに、 化粧品香料を再活性化する方針を語った。 

今回のセミナーでは、 新たな美白技術として、 ペプチドとチロシナーゼ自殺基質阻害剤を用いた新アプローチを紹介。 初期研究においてメラニン形成を10%減少したことを報告した。 続いて、 「化粧品開発の永遠のテーマ」 と題して、 目のくまやシワなどの 「エイジングサイン」 にスポットを当て、 アンチエイジング原料として期待されるカフェインや抗酸化作用のあるリコピンなど食品系原料で人気の高いものを紹介した。 中でも、 素材の大半が野菜で構成される 「Yes to」 シリーズやフルーツ原料、 各国の特産品などを紹介した。 

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AC社のアジア地区を担当するキャサリン・セントロマーケティングマネジャーは、 「米国では食品以外にも、 化粧品に多く配合される水への関心が高まっており、 皮膚に重要な水和作用という点で、 ココヤシのバイオウォーターや浄化作用もある海泥など海洋由来原料を使用した化粧品も注目を集めている。 当社も 『ACB Sea Silt』 シリーズをはじめ複数の取り扱いを開始、 紹介している」 と語り、 シリーズの1つであるアクアポリンに着目した 「同 Bioferment G」 を紹介。 水への関心ポイントは 「ミネラル」 にあり、 カルシウムやマグネシウムなどミネラル成分を多く含む原料への期待値は高いという。 

「年々、 有効成分に求める要望は厳しくなっている。 ツー・イン・ワンはもはや当たり前。 2つ以上の多機能成分を数多く紹介していきたい」 (セントロ氏) 

米国で人気の「多機能多用途」成分のザクロ原料に期待感高まる

AC社が機能性原料の中で、 大きな期待をよせているのは 「ザクロ」 関連の原料で、 米国におけるザクロ関連製品の売上高は、 2005~07年の3年間で約4倍も拡大しており、 現在も拡大傾向が続く。 キウイフルーツやマンゴー、 アサイーなど、 栄養素が高く、 商業的にも急激な成長を遂げた果物群を指す 「スーパーフルーツ」 群の中でもザクロは最もニーズが高いという。 

米国化粧品市場はリーマンショック後、 落ち込みをみせたものの、 昨年下期以降、 回復基調にある。 ただ、 「高価格帯が落ち込み、 低価格帯の構成比が増え」 (セントロ氏)、 日本と同様の状況にある。 そうした中、 グローバル展開する欧米のメーカーを中心に、 ザクロから抽出した成分を配合して商品化する例が相次いでいることから、 今後、 アジア圏でもニーズの高まりが予想される。 

ザクロが注目される要因は 「多機能多用途」 で、 グロス感や肌バリア機能、 保湿作用が確認されており、 マスカラやリップ、 ファンデーションをはじめ、 ヘアトリートメントからスキンクリームにまで幅広く使用できるという。 AC社もザクロのラインアップを拡充しており、 今春、 新たにザクロ・ワックスを発売する。 

また、 保湿作用のある 「ザクロステロールズ」 をはじめ、 美白素材として紹介している 「ザクロ果実発酵液」 などザクロ関連原料を今年の注力原料の一つに位置づけ、 積極的に提案していく方針だ。 

2010年03月25日 11:54