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健康食品の表示に関する検討会が終了

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「第11回 健康食品の表示に関する検討会」が2010年7月28日、都内で開催された。第9回の検討会で示された素案をもとに議論を重ね、最終回となったこの日の検討会で論点整理がまとめられた。

特定保健用食品(トクホ)の表示許可制度については、審査に必要かつ充分な試験デザインの枠組みの提示やトクホの新たな規格基準の策定の検討、といったトクホの表示許可手続きの透明化。許可表示を超える広告の変更を求めるなどのトクホの広告に係るガイドラインの作成、といった保健機能を適切に伝える表示・広告方法などが、消費者庁において早急に対応すべき方策として盛り込まれた。

健康食品の表示・広告規制については、虚偽・誇大な表示・広告規制の効果的な執行として、ガイドラインの作成、インターネットにおける監視の強化、健康増進法および景品表示法の連携を強化し、事業者名公表などの厳正な対処。事業者・メディア団体の審査の参考となるモデル条項の策定などが、消費者庁が対応すべき方策として記載された。

消費者委員会でのさらなる議論を求める要項としては、トクホの表示許可制において、再審査手続きを開始するか否かの判断基準や許可の一時停止の判断基準など、新たな制度設計のあり方。健康食品の表示の効果的な規制や適切な情報提供の仕組みにおいて、法改正も視野に入れた制度の見直しや拡充などが、検討課題とされた。

全11回に渡る議論でまとめられた今回の案は、全体の印象として、これまでトクホおよび健康食品の表示により引き起こされた問題の原因をあぶりだし、関連法案などの運用の徹底など、グレーゾーンを埋める、規制強化が色濃い内容となった。もっとも健康食品業界サイドの委員から「厳しい内容だが、これが第一歩になるようにしなければいけない」との前向きな声も挙がり、消費者庁主導の検討会としては、いい意味の引き締めとなる議論になったといえる。

今後、最終的に消費者庁の担当事務局で文言の調整が行われ、論点整理報告書として8月中にも消費者委員会に報告し、さらに同委で議論される予定となっている。その点に関し、消費者庁内田俊一長官は「この論点整理は国民へのメッセージでもある。しっかりと消費者に届くようにしたいし、そうすることが実効性への有力なやり方になる」と議論だけに終わらせないことを力強く公約した。

 

【「健康食品の表示に関する検討会」論点整理(案)】

http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin364.pdf

2010年07月28日 15:08