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大幅な期間短縮を可能にする尿中有害金属測定法を開発/アークレイ

臨床検査機器・体外診断用医薬品メーカーのアークレイ(株)(本社:京都市中京区)は、尿中の水銀を簡易に測定する方法を開発し、その研究成果を米国アンチエイジング医学会2011(12月8日~10日=米・ラスベガス)で発表した。

同測定法は、患者の尿を用い、その場で測定を行えるため、検査を1時間以内で完了できる。従来の方法では、専門の検査機関(米国)に尿を送り測定する必要性から、結果を得るまでに1週間以上要していた。

「今回発表した尿中水銀の簡易測定法は、アンチエイジング医療分野での検査だけでなく、従来の医療検査ならびに機能性素材の効果判定などにも有効な役割を果たすことが可能です。これまで臨床検査システム開発で培った技術を応用し、健康科学の他分野へも事業展開を行い、シナジー効果を発揮していきます」と同社。

近年、有害金属を摂取することによる慢性的な健康被害が問題となっている。アンチエイジング医療においては、体内から有害金属などの毒素を排出する治療が行われており、そのひとつとして「デトックス(解毒)」がよく知られる。その効果確認のための主な検査として、尿中の重金属量測定が行われている。

学会では同社ブースにアンチエイジングクリニックのドクターを中心とした約200人が来場。研究内容に対し、高い関心を示したという。

同社ではまず、アンチエイジングクリニックを対象に、今回発表した尿中水銀の簡易測定システムを商品化。さらに、他の有害金属(鉛、カドミウム、ヒ素など)の測定項目ラインナップの充実、デトックスサプリメントの開発およびその効果判定への適用などを予定し、アンチエイジングクリニック以外の市場展開も視野に入れる。

米国アンチエイジング医学会は1992年の設立。正式名はThe American Academy of Anti-Aging Medicine(通称A4M)。105ヶ国 22,000人の会員で構成される。2011年12月8日~10日にラスベガスで開催された第19回学会には約5,000人が参加し、約300社の企業が出展した。参加者はドクター、看護師、薬剤師など、医療従事者およびサプリメントや医療機器関連メーカーが中心。