健康と美容のニュースなら健康美容EXPOニュース

一丸ファルコスと共同開発、糖蜜含有酒粕エキスが皮膚の黄色ブドウ球菌の抑制、細胞剥離率の上昇に作用し肌の滑らかさを改善させることを発見/桃谷順天館

桃谷順天館グループは、一丸ファルコス株式会社 との共同研究により、 アトピー性皮膚炎の悪化の一因ともいわれる 黄色ブドウ球菌を抑制する化粧品原料として 、 糖蜜含有酒粕エキス を見出し ました。また、糖蜜含有酒粕エキス 配合化粧水の 1 か月連用試験を行 った ところ 、皮膚の黄 色 ブ ドウ球 菌を抑制することに加え 、細胞剥離率 を上昇させることを見出しました。 今後、同成果 をもとに同社の製品開発に応用します。

同研究成果に関しては2020 年 10 月 21 日より 開催された国際化粧品技術者連盟 以下、 IFSCC) の世界大会 The31st IFSCC Congress 2020 YOKOHAMA にてポスター発表致しました。

※細胞剥離率:
テープストリッピングで剥がした角層の、拡大画像視野全体に占める角層細胞の割合。細胞剥離率が低いと角層表面が均一でなく角層がまばらに剥がれ、高いと角層 が 均 一に整った状態だと考えられます。

(写真)糖蜜含有酒粕エキス

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 研究内容
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
肌には様々な皮膚常在菌が存在しています。これらの細菌は皮膚細菌叢といわれ、人の皮膚と相互に作用しているといわれます。中でも表皮ブドウ球菌は皮脂を分解してグリセリンと脂肪酸を産生し、肌の保水力やpH 保持に寄与しているなど、肌に良い作用があるといわれています。一方で黄色ブドウ球菌はアトピー性皮膚炎患者の皮膚から頻繁に検出され、アトピー性皮膚炎の悪化の一因ともいわれています。そこで黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌バランスを整える化粧品は肌の健康に役立つのではないかと考え研究を行いました。

【1】試験管内で、黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌を試験サンプルを添加した状態で共培養し、糖蜜含有酒粕エキスに黄色ブドウ球菌を抑制する効果があることを見出しました(図1)。

【2】糖蜜含有酒粕エキスを1%配合した化粧水とコントロール(糖蜜含有酒粕エキスを水に置き換えた化粧水)をそれぞれ11 人※の被験者で、4 週間の連用試験を行いました。肌状態の測定と菌叢の採取を行ったところ、糖蜜含有酒粕エキス配合化粧水を使用した被験者で、4 週間連用後の皮膚細菌叢における黄色ブドウ球菌の割合の減少(図2)と、細胞剥離率(図3)の上昇が確認されました。また、更に解析を行ったところ、これらの変化は試験終了後のアンケートで「なめらかになった」と実感した被験者により顕著であり、なめらかさの実感と黄色ブドウ球菌の割合減少・細胞剥離率上昇の関係が深いのではないかと考えられました。

※11 名の内糖蜜含有酒粕エキス配合化粧水使用者1 名が途中棄権

これらの結果より、糖蜜含有酒粕エキスには、皮膚細菌叢のバランスを整え、肌の滑らかさを改善することが示唆されました。今後これらの研究成果を同社の製品開発に応用していきます。

IFSCC 発表タイトル
「Is it possible to balance skin microbiome with cosmetic ingredients?(化粧品原料で皮膚細菌叢のバランスを整えることは可能か)」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 一丸ファルコス株式会社 会社概要
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
一丸ファルコス株式会社(本社:岐阜県本巣市)は、1959 年の創立以来60 年以上にわたり、天然化粧品原料開発のパイオニアとして最先端の皮膚生理学の理論に学び、薬用植物などを中心に幅広く化粧品、医薬部外品、健康食品になる機能性原料の研究開発を行っています。天然資源から活性成分を探索し、抽出精製、製造販売を行っており、現在では1000 品目にわたる天然原料を、国内外のユーザーに提供しています。天然資源との共生を通じて世界の人びとの美と健康に貢献することを経営理念としています。

【詳細は下記URLをご参照ください】
桃谷順天館グループ 2020年11月12日発表
桃谷順天館グループ 公式サイト
一丸ファルコス株式会社 公式サイト

2020年11月13日 18:24

関連記事