平成22年12月2日
福祉保健局
都では、いわゆる健康食品による健康被害発生の未然防止のため、都内で流通販売される製品の試買調査及び成分検査を行っております。
今般、都内の店舗から購入した下記製品の試験検査を行ったところ、医薬品成分である「アミノタダラフィル」が検出されました。
いわゆる健康食品において医薬品成分を含むものは医薬品とみなされ、厚生労働大臣の承認及び許可を受けずに製造販売することは薬事法で禁止されています。
当該製品をお持ちの方は、直ちに使用を中止し、健康被害が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診してください。
なお、これまでに当該製品による健康被害発生の報告は受けておりません。
薬事法違反の製品(製品表示(抜粋)による。)
栄養補助食品
商品名 オタネパワー
原材料名 水鹿の幼角(3%)、オタネ人参(3%)、クコの実(15%)、ニガウリ(9%)、サンシュ(15%)、紅景天(9%)、ナルコユリ(12%)、ヤマイモ(6%)、デキストリン(28%)
内容量 800ミリグラム×6粒
製造(輸入)者は不明(製品に記載なし)
褐色、楕円形の錠剤、PTP包装
試験検査機関
東京都健康安全研究センター
違反の事実(検査結果:1錠中「アミノタダラフィル」を25ミリグラム検出)
アミノタダラフィルを含有し、経口で摂取するものは、薬事法第2条第1項に規定する医薬品に該当するため、承認・許可を受けていない当該品を販売したことは、同法第55条第2項(無承認無許可医薬品の販売・授与等の禁止)の規定に違反する。
アミノタダラフィルは、国内及び海外で医薬品としては承認されておりませんが、タダラフィルと類似の化学構造を有する物質であり、類似の作用を有する可能性が考えられ、安易に摂取した場合、健康被害が発生するおそれが否定できません。
なお、タダラフィルは、勃起不全(ED)治療薬等の有効成分として使用されており、頭痛、潮紅、ほてり、消化不良などの副作用の報告があります。また、硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を服用している患者には服用禁忌とされています。
当該品を持っている方は、直ちに使用を中止し、健康被害が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診してください。
都の対応
当該品をインターネット販売した都内店舗(港区白金台)に対し、販売中止及び自主回収を指示しました。
福祉保健局ホームページに違反製品名等を掲載するとともに、摂取による危険性等を都民に周知しました。
関係団体へ注意喚起のため情報提供しました。
「オタネパワー」
参考
タダラフィルは、国内において医薬品(販売名:シアリス錠5ミリグラム、シアリス錠10ミリグラム、シアリス錠20ミリグラム等)として承認されている。シアリス錠の適応症と主な副作用等は次のとおり。
適応
勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない患者)
副作用
頭痛、潮紅、ほてり、消化不良等
添付文書上の警告(抜粋)
硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下げることがあるので十分注意すること。
死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/12/20kc2300.htm
問い合わせ先
福祉保健局健康安全部薬事監視課
電話 03-5320-4512、4519