・今般、富山県等で発生した腸管出血性大腸菌による食中毒事件を受けて、生食用食肉を取り扱う施設に対して都道府県等から緊急に監視指導を行うこととし、下記のとおり、各都道府県あて通知しました。
食安発0505第1号
平 成 2 3 年 5 月 5 日
都 道 府 県 知 事
各 保健所設置市長 殿
特 別 区 長
厚生労働省医薬食品局食品安全部長
生食用食肉を取り扱う施設に対する緊急監視の実施について
食肉の生食による食中毒の予防については、「生食用食肉等の安全性確保について」(平成 10 年9月 11 日付け生衛発第 1358 号。以下「衛生基準通知」という。)により、生食用食肉の衛生基準に基づく消費者、関係事業者への周知・指導のほか、関係通知に基づき、腸管出血性大腸菌により重症化するリスクの高い小児や高齢者に食肉やレバーの十分な加熱を行うなどの普及啓発をお願いしているところです。
しかし、今般、富山県等で発生した腸管出血性大腸菌による食中毒事件において、飲食店で食肉を生食した小児等、4名が死亡し、多くの重症者が確認されていることから、汚染実態等関係情報を調査した上で、生食用食肉の衛生基準について、食品衛生法に基づく規制とすることも含め、検討を行っているところです。
つきましては、それまでの間、衛生基準通知に基づく生食用食肉の衛生管理を徹底し、同様の食中毒の発生の防止を図る必要があることから、下記により、生食用食肉を取り扱う営業施設に対する監視指導を緊急に実施するようお願いします。
なお、関係営業者に対して、生食用以外の食肉を生食用として消費者に提供することがないよう徹底されるようお願いします。 記
1 対象施設
飲食店営業、食肉処理業、食肉販売業等の営業施設のうち、生食用食肉を取り扱っている営業施設(予め、文書により生食用食肉の取扱いの有無を確認すること)。
2 実施期間
平成23年5月末日までとし、6月5日までに別途示す報告様式により監視指導結果をとりまとめて監視安全課まで報告すること。
なお、5月末日までに終了していない場合には同日現在の結果について報告するとともに、終了後可及的速やかに結果を報告すること。
3 監視指導の内容
次の内容の衛生基準通知への適合性を確認すること。
(1)生食用食肉の加工
ア トリミング場所の施設・設備の区分、温度管理、必要な設備の設置
イ トリミングを行う器具の専用化
ウ トリミングの実施
エ 細切の実施
オ 器具の適切な消毒
カ 手指の洗浄の方法
キ 手指、器具の洗浄消毒
ク 食肉の温度管理
ケ 浸透性のある調味等の処理の未実施
(2)生食用食肉の保存
ア 保存、運搬の方法
イ 保存、運搬の温度管理
(3)生食用食肉の表示(飲食店で生食用食肉の加工を行い、提供する場合を 除く。)
ア 生食用である旨
イ 生食用の加工を行った施設名の表示 (4)自主検査
生食用食肉の加工を行った施設での自主検査の実施の有無
4 監視指導結果に基づく措置
衛生基準通知に適合しない場合は、生食用食肉の取扱いを中止させ、施設側
の改善結果を確認した上で取扱いを再開するよう指導すること。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001bbrh-att/2r9852000001bbwj.pdf