日本製薬団体連合会(日薬連)が、漢方生薬製剤の原料に用いる国産生薬の集荷繁忙期(11月以降)を前に、会員への注意喚起や放射能対策強化のため、傘下の日本漢方生薬製剤協会が3月以降に17都県※からの原料生薬の放射性物質を検査してきた状況とその結果を自主的にとりまとめました。
厚労省は、都道府県を通じて全国の医薬品製造業者に日薬連の報告を周知・注意喚起し、医薬品の品質管理を徹底することとしています。
※ 検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方(原子力災害対策本部)による。
(1)日薬連の報告の概要
1.35生薬109検体について、9生薬23検体から放射性セシウムが検出された(うち、食品衛生法の暫定規制値500Bq/kgを超える3生薬9検体)。
2.現在製品化されているものは、3月以前に産出された原料生薬を使用しているため、3月以降17都県の原料生薬は、1製品を除き、製品には使用されていない。その1製品も原料生薬から放射性物質は検出されていない。
※ 出荷された製品は調剤用生薬(ボクソク)1製品(1ロット/200包分)であり、ゲルマニウム半導体検出器で放射性セシウムが検出限界以下
(ND <20Bq/kg)。
(2)厚労省では、日薬連の報告を受け、都道府県宛に以下を通知しました(10月14日付)
1.念のため、全国の医薬品の製造販売業者等に自己点検を求め、3月以降に17都県で産出した原料生薬を用いて製造した医薬品製剤を出荷していたときは、自主的に回収し、厚労省に報告すること。
2.当面、追って通知する予定の適切な放射性物質の検査方法で検出限界以下となった原料生薬のみを医薬品の製造に使用することを徹底するとともに、産出される市町村単位ごとに原料生薬の検査を行うこと。
(参考)医薬品の製造販売業者は、薬事法で義務づけられている製造管理・品質管理の基準(GMP)に基づき、放射性物質が検出されないことを確認する等、仕
入れる原料の品質管理を行う必要があります。