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国内化粧品市場の調査結果を発表/富士経済

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済は、2012年2月から5月にかけて調査を行った6分野44品目の国内化粧品市場の調査結果をベースとして、価格帯別、チャネル別など様々な角度から2011年以降の化粧品市場を総括した。同時にヘアケア、スキンケア、ボディケアで化粧品を使用している男性に対してインターネットを活用したアンケート調査を行い市場のトレンドを分析した。その結果を報告書「化粧品マーケティング要覧2012 総括編」にまとめた。

■国内化粧品市場総括分析の概要■
1.国内化粧品市場
 <価格帯別市場>

2011年の化粧品市場は、0.9%減の2兆2,730億円となった。2008年、2009年と市場縮小が続いたが2010年に横這いとなり、2011年の市場回復が期待されたものの、東日本大震災の発生後に不要不急のものに対する需要が低迷し再び縮小した。2012年は縮小した前年の反動や需要の回復などにより、市場拡大が期待される。

 価格帯別では、セルフ・トイレタリーブランドなどの低価格帯商品の高機能化が進み、化粧品市場全体では中価格帯から低価格帯への需要シフトが顕著になっている。2011年は、セルフブランドのオールインワンやBBクリームなど時短アイテムのヒットや、ボディケアではパーソナルユース訴求のトイレタリー商品の増加などから低価格帯市場が拡大した。

 高価格帯では、ホワイトニングやアンチエイジングなど高機能スキンケア商品が牽引し、リーマンショック後の2009年を除き市場拡大が続いている。2011年もスキンケアにおいて通販ブランドのヒットや、スペシャルケアアイテムの拡販などで需要を獲得した。ヘアケアやメンズコスメティックスなどは震災による買い控えが見られたものの、ボディケアではライフスタイル提案型ブランドが好調に推移し、市場全体でも微増となった。

 中価格帯は市場の4割以上を占めるボリュームゾーンにあたるものの、マス向けカウンセリングブランドの低迷や、高価格帯と低価格帯への二極分化が進み2008年以降縮小が続いている。しかし、メイクアップにおいてはマス向けカウンセリングブランドで、既存品より単価を下げたアイテムの投入を行ったことで、リップカラーやファンデーションなどのヒット商品も見られた。この他、ヘアケア・ヘアメイクにおいてはニーズの細分化によりパーソナルケア志向の高まりから参入メーカーが中~高価格帯ブランドに対する注力を高めている。

<販売チャネル別市場>
化粧品販売の主力チャネルはドラッグストアである(2011年化粧品国内市場の28%を構成)。ドラッグストアに次ぐ販売チャネルは、通信販売である(同13%を構成)。

 ドラッグストアはマス向けカウンセリングブランドが苦戦しているものの、スキンケア、ベースメイク、ボディケアにおいて高機能化の進むセルフ・トイレタリーブランドが、価格訴求と幅広い品揃えによって需要を取り込み、2012年も引き続き拡大すると見られる。

 通信販売は、オールインワンやスカルプケア関連などヒット商品が市場を牽引し拡大が続いていたが、2011年は東日本大震災の影響によるTVCM・キャンペーン等の自粛により、需要獲得に苦戦するメーカーが多く縮小に転じた。しかし、化粧品市場において通信販売の位置づけは高まっており、2012年以降は再び拡大が見込まれる。

 百貨店向けブランドのオンライン販売や、ブランドを横断して取り扱う新業態の展開が進むなど、新たなチャネルの活用による化粧品市場の活性化が期待されている。

2.注目コンセプト市場
<時短アイテム>
 2011年:506億円
 2012年見込:557億円
 前年比:110.1%

 洗顔後のスキンケアを1アイテムで完了できるオールインワンとベースメイク機能を集約したBBクリームを対象としている。”これ一本でお手入れが完了”などを訴求した時短アイテムは、2009年以降経済環境が悪化する中でケアの簡略化とアイテムを集約できるお買い得感から消費者の需要を獲得し、市場が拡大している。オールインワンは、ドクターシーラボ「ドクターシーラボ アクアコラーゲンゲル」や新日本製薬「ラフィネ」などの通販ブランドが中心だったが、セルフブランドから相次いで新商品が投入されドラッグストアや量販店への展開が進んでいる。主にジェルタイプの商品が多いものの、近年では化粧水や乳液タイプなどバリエーションが広がっている。BBクリームは、これまでは通販ブランドやセルフブランドからの展開が中心だったが、百貨店向けブランドからも商品投入が進んでおり、価格帯やチャネルに広がりが見られる。

□調査対象□
 スキンケア9品目、フレグランス5品目、ヘアケア・ヘアメイク7品目、メンズコスメティックス6品目、メイクアップ10品目、ボディケア7品目の計6分野44品目
□調査方法□
 富士経済専門調査員による調査対象企業、関連企業・団体等へのヒアリング、関連文献、社内データベースを併用
□調査期間□
 2012年5月~7月

■消費者調査の結果の概要■

<男性の化粧品の使用状況>
1.洗顔料・整肌料(化粧水、乳液など)の使用状況(N=640人)
 洗顔料を使用している人は364名、56.9%となった。40代前半までは50%以上が使用していると回答した。洗顔料の機能や効果で重視することについて質問したところ、最も多かった回答は、「洗いあがりがさっぱりする(63.7%)」、次いで「爽快感がある(34.1%)」であった。
 一方、化粧水や乳液などの整肌料を使用している人は238人、37.2%となった。20代後半と30代前半で使用している人の比率が高く、特に20代後半は洗顔料と整肌料を使用している人が共に50%を超え、いずれも全年代中で最も高くなっている。

2.日焼け止めの使用状況(N=640人)
 日焼け止めを使用している人は148人、23.1%となった。特に30代後半と40代前半で使用している比率が高い。使用シーン別には「海やスポーツ、レジャー時」の使用が55.4%と半数近くを占め、特に40代~50代前半では60%にもなる。一方、日常の外出時や日差しがきつい時に使用するのは20代後半~30代後半に多く、50%を超えた。
 なお、UVケアに対する意識については、必要だと感じるのは228人、35.6%となった。最も高い30代後半でも45.0%に留まっており、全体としてUVケア意識に対する啓発の余地が大きいといえる。また、UVケアの必要性を認識しているのが228人に対して、実際に使用しているのは148人であり、使用率についても上昇の余地があるといえる。

□調査対象□
 ヘアケア/スキンケア/ボディケアのために何かしらの商品を使用している20~59歳の男性640人
□調査方法□
 インターネットによるアンケート調査
□調査期間□
 2012年6月8日~6月10日

以上
※リリースの詳細は関連資料をご参照ください

【関連資料】
◎リリースURL/PDF
https://www.fuji-keizai.co.jp/market/12070.html

◎株式会社富士経済:公式サイト
https://www.fuji-keizai.co.jp/

2012年07月31日 10:09

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