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黒ショウガの熱産生誘導物質を発見–褐色脂肪交感神経の活動を促進させる成分ー/東洋新薬

株式会社東洋新薬は、大阪大学 永井克也名誉教授、武蔵野大学 油田正樹教授と共同で、『黒ショウガ』 に含まれる褐色脂肪組織を支配する交感神経の活動を促進させる成分を動物試験にて確認し、日本薬学会第 136 年会において発表しました。

■ 『黒ショウガ』とは
『黒ショウガ』は、ショウガ科バンウコン属の植物で、学名をKaempferia parviflora とし、英語では“Black Ginger”、ラオス語では“Khing-dam:キング(ショウガ)-ダム(黒い)”と呼ばれており、「ポリメトキシフラボノイド〔注1〕」という特徴成分が含まれています。黒ショウガはタイやラオスの山間部に自生し、現地ではお茶やリキュールなどにして飲まれており、伝承的な機能性として滋養強壮や冷え症改善があると言われてきました。

同 社 は 、 黒 シ ョ ウ ガ に 含 ま れ る 特 徴 成 分 ポ リ メ ト キ シ フ ラ ボ ノ イ ド 類 の う ち 、 5,7,3 ´ ,4 ´-tetramethoxyflavone(テトラメトキシフラボン;以下、TMF)が褐色脂肪組織〔注2〕を支配する交感神経の活動を促進することを確認し、日本薬学会第 136 年会(2016 年 3 月 26 日(土)~29 日(火)、パシフィコ横浜)において発表しました。

■ 研究の背景
褐色脂肪組織は、脂肪を燃やし熱を産生する役割を担っており、その発熱能力は骨格筋〔注3〕の約 100倍もあると言われています。しかしながら、ヒトの褐色脂肪組織の活動は加齢と共に低下していき、エネルギー代謝が減弱していきます。そのため熱産生増加によるエネルギー代謝の促進は、ダイエット効果の鍵として近年注目されています。同社ではこれまでに、黒ショウガの機能性として、褐色脂肪組織を支配する交感神経活動促進作用、体温上昇作用および褐色脂肪細胞の分化〔注4〕誘導促進作用などを動物試験で確認しております。そこで今回同社は、褐色脂肪組織の交感神経活動を促進する黒ショウガ中の成分を探索するため、黒ショウガからポリメトキシフラボノイドを抽出し、動物試験にて交感神経の活動を測定しました。

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■ 発表骨子
9週齢のラットに、黒ショウガに含有するポリメトキシフラボノイドであるTMF、もしくはコントロール(水)を経口的に投与し、褐色脂肪組織を支配する交感神経の活動を電気生理学的手法〔注5〕により経口投与直後から 1 時間後まで 5 分毎に計測し、これらの平均値を算出しました。その結果、TMF において強い交感神経の活動が示されました(図 1、2 をご参照ください)。以上より、黒ショウガに含まれるポリメトキシフラボノイドである TMF に、褐色脂肪組織を支配する交感神経の促進作用、熱産生作用があることが示唆されました。

〔注1〕ポリメトキシフラボノイド
ポリフェノールの一種で、柑橘果皮に含有する「ノビレチン」などが有名です。フラボン骨格に多くのメトキシ基(-OCH3)がついているのが特徴です。近年の研究では、抗がん作用や抗炎症作用があるという報告があります。

〔注2〕褐色脂肪組織
脂肪組織は、エネルギー源として脂質を貯蔵する役割を持つ白色脂肪組織が有名ですが、褐色脂肪組織は、脂肪酸をエネルギー源として利用し、熱を作り出す役割を担っている組織です。

〔注3〕骨格筋
体を動かす「筋肉」のことです。普段は大脳の支配下におかれているため意識的に動かすことができますが、寒いときには、体温調節中枢である視索前野から運動神経に指令を送り、『ふるえ』を起こして熱を作り出します(ふるえによる産熱と呼ばれています)。

〔注4〕分化
生物の発生過程で、分裂増殖する細胞が機能的・形態的に変化することを言います。

〔注5〕電気生理学的手法
動物の神経線維を電極に吊り上げ、その電気活動の変化を測定し記録する方法です。微弱な電気活動をアンプを使って増幅し測定しています。

《 株式会社東洋新薬に関して 》
東洋新薬は、「これまでの常識や固定概念にとらわれない健康食品や化粧品、医薬品を創り、世界へ送り出す」という志を社名に込めて 1997 年に創業した健康食品・化粧品・医薬品の ODM メーカーです。健康食品・化粧品・医薬品の受託製造にとどまらず、事業全般に亘るコンサルティングや商品企画から商品設計、処方開発、製造、販売促進までトータルにサポートし、豊富なノウハウを活用してお客様の様々なご要望にスピーディにお応えしております。エビデンス豊富なビタミン C の 600 倍の抗酸化作用を持つ松樹皮抽出物『フラバンジェノール®』をはじめとする高機能性素材の研究開発にも注力しています。また、特定保健用食品(トクホ)の許可取得数は273件と日本一(2016年3月現在)で、そのノウハウを活用した独自のCRO事業(トクホ開発と臨床試験受託)を展開しています。また、製造工場は国内 ODM メーカーとして初めて cGMP(ダイエタリーサプリメントの製造、包装、表示及び保管において適切な管理を行うための米国 GMP)に準拠した工場であり、健康補助食品 GMP、ISO9001:2008、ISO22000:2005 といった各種認定・認証も取得しており、国際レベルの水準をクリアした品質管理体制を構築しています。

【詳細は下記URLをご参照下さい】
株式会社東洋新薬 2016年3月30日発表
株式会社東洋新薬 ホームページ

[ 特 集 ] 機能性表示食品制度[機能性表示対応素材] 《更新随時》

2016年03月30日 11:00

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