特定の遺伝子変異を標的とするがん治療薬、臨床試験で有望な成績 【海外ニュース】

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特定の遺伝子変異を標的とするがん治療薬、臨床試験で有望な成績

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トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)融合蛋白質を選択的に阻害するがん治療薬larotrectinib(国内未承認)が、年齢やがんの種類にかかわらず有効である可能性が同薬の臨床試験で示された。

同薬による効果が期待できるTRK融合遺伝子の異常がある患者は極めて少ないため「万能薬」とは呼べないが、研究を率いた米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(ニューヨーク市)のDavid Hyman氏は「TRK融合遺伝子陽性のがん患者にこれほど奏効した治療はこれまでなかった」と述べている。

TRK融合遺伝子の異常が認められる患者の割合は、大腸がんや乳がん、肺がんなどの一般的ながんでは0.5~1%程度だが、唾液腺がんや小児にみられる乳がんの一種、乳児の肉腫など特定のまれながんでは極めて高いという。

今回報告されたのは、TRK融合遺伝子の異常が認められる大腸がん、甲状腺がん、メラノーマ、肺がん、乳がん、膵がん、肉腫など17種類のがん患者55人(うち12人は小児)を対象とした臨床試験の中間解析結果。現在も50人を対象に追跡が継続されているという。

中間解析によると、全体の76%では治療の奏効(30%以上のがん退縮)が認められた。また、この結果が報告された時点の治療奏効期間は最長で25カ月だった。なお、頻度が最も高い有害事象は疲労とめまいだったが、Hyman 氏は「患者の生活の質(QOL)は良好に保たれていた」としている。

今回の臨床試験には関与していない米マウントサイナイ・アイカーン医科大学(ニューヨーク市)のWilliam Oh氏は、「新たな治療薬で奏効率が76%に達したとの報告に心を躍らせている。しかも、治療への反応が持続してみられ、奏効期間は1年を超えていた。これは侵襲性の高い一部のがんの治療において有望な結果といえる」とコメントしている。

がんの発生部位を問わず、特定の遺伝子異常を有するがんの治療薬としては、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)が先行する。同薬は5月24日、米国食品医薬品局(FDA)により共通のバイオマーカーに基づく全ての固形がんの治療薬として承認されている。

なお、FDAは昨年、larotrectinibを「ブレークスルー・セラピー」に指定し、承認審査の迅速化を図っている。Hayman氏は、「larotrectinibが承認された場合は、がんの種類にかかわらず進行がん患者に対してTRK融合遺伝子の検査を実施すべきだ」と主張している。これに対し、米シティ・オブ・ホープ(カリフォルニア)のSumanta Kumar Pal氏は、「まれながんであれば早期に検査する意味はあるかもしれないが、一般的ながん患者にはまず標準治療を行い、奏効しない場合にのみTRK融合遺伝子の検査を実施するのが妥当だ」との見解を示している。

この試験結果は、米シカゴで6月2~6日に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2017)で発表された。学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年6月3日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/mis-cancer-news-102/experimental-gene-targeted-drug-hits-cancer-where-it-lives-723331.html

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2017年6月13日 17:50 [癌(がん)]

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