

市場が伸びていることと、商品が選ばれることは別問題です。
成熟した酵素市場では「需要」よりも「他社品との違いがどう伝わるか」が成否を分けます。この違和感に気づけるかどうかが、ヒット商品設計の出発点になります。

活きた酵素、植物酵素、カルニチン、BCAAなどは、どれも間違いのないダイエット成分です。
しかし“正しい処方”であることと、“選ばれる理由になる処方”であることは一致しません。

説明すると言葉が散るのは、成分が多いからではありません。
「この商品は何のために存在するのか」という軸が未定義なまま、処方だけが先行している状態です。

OEMは機能設計のプロであり、成分選定や配合の正解は導きだせます。
一方で、「なぜこの商品なのか」「どんな未来を届けたいのか」というブランドのストーリー設計は別領域です。ここを混同すると、機能は揃っているのに売れない状態に陥ります。

売れている商品を分析すると、成分それぞれの説明より先に「使用シーン」が立ち上がっています。
続けやすさや安心感が、理屈ではなく空気感として伝わる。この設計こそが、レビューや継続購入を生む要因です。

多くのメーカーがこの段階で立ち止まります。
成分を足すべきか、減らすべきか判断できないのは、判断基準が機能軸しかないからです。ここで外部視点を入れられるかが、分岐点になります。

ヒット商品設計では、成分を「効かせる素材」ではなく「役割を持つ存在」として再定義します。
「これは何をしてくれる商品か?」という問いに答えられない限り、処方はストーリーとして成立しません。それぞれの配合成分の意味づけの設計こそが、処方とブランディングをつなぐ重要なポイントです。

酵素や乳酸菌、代謝成分は、それ単体で語ってもお客様には伝わりません。
製品設計の前提として必要なことは、配合成分のストーリー化です。
乳酸菌・酪酸菌は排出、酵素は巡り、MCTやカルニチンは燃焼の役割を持ちますが、吸着成分の炭を加えることでストーリーが増し、お客様への納得感も増すことでしょう。この視点が入ることで、処方全体が構造化されます。

改めて配合成分を役割で整理すると、処方は一気に一本の線になります。
炭は余計なものを吸着、乳酸菌・酪酸菌は排出促進、酵素は巡り、MCTやカルニチンは燃焼強化。この整理ができると、“伝わる処方”に変わります。

処方が整理されると、ブランドの言葉は無理に作るものではなくなります。
「溜め込まない習慣」「頑張らなくてもいい」といったメッセージが自然に立ち上がり、コピーと中身が乖離しない設計が可能になります。

使う未来が想像できる商品は、効果を断定しなくても選ばれます。
生活に無理なく組み込める設計こそが、安心感・納得感・継続につながります。

ヒット商品とは、成分が単なる素材ではなく、しっかりとしたストーリーを支える登場人物になっている商品です。
このストーリー設計ができると、ジャンルが変わっても再現性のある商品開発が可能になります。ここに、外部アドバイザーを入れる価値があります。
【さいごに】ダイエットサプリのヒット商品を生むために、本当に必要なこと
ダイエットサプリの開発でつまずく多くの原因は、
「成分が足りないこと」ではありません。
本質的な課題は、成分同士の役割が整理されないまま、つまりストーリー設計がされないまま、処方とブランディングが分断されていることにあります。
OEMは機能設計のプロです。
一方で、「なぜこの商品なのか」「どんな未来を届けるのか」という
ストーリー設計は、別の専門性が求められます。
今回の事例のように、
・配合成分のストーリー化を行う
・配合成分を役割で整理する
・処方からブランドメッセージを逆算する
こうした整理ができて初めて、
「成分が良い商品」ではなく
「使う未来が自然に伝わるヒット商品」になります。
もし今、
処方は決まっているのに言葉にできない
OEMとの議論が機能論で止まっている
このままでは“よくある商品”になりそう
そう感じているなら、
それは設計を整理する第三者視点が必要なタイミングです。
ダイエットサプリに限らず、
健康・美容商品のヒット商品設計は再現可能です。
まずは、今お持ちの処方や構想を一度整理するところから、
お気軽にご相談ください。
【健康美容コラム】無料相談はこちらから
※ご希望のテーマも募集しています。
< 取材協力 >
日本サプリメント協会 商品企画・開発研究部会 統括
橘 健司
プロフィール
京都大学院修了後、20年以上にわたりOEM・メーカーの立場でサプリメントの企画・開発に携わり、クライアントPBを含めた500ブランド以上のサプリメントを世に送り出した。
特にクライアントPBについては、配合成分や形態の提案だけでなく、商品の設計、販促表現、知的財産戦略等の提案を行い、クライアントのニーズに対して的確なアンサーを提示し、多数の商品が有名ブランドに上り詰めた。
カテゴリは、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、一般健康食品の開発経験を網羅し、形態は顆粒、錠剤、カプセル、ドリンク、グミ、焼き菓子等多岐に渡る。
食品保健指導士、食生活アドバイザーの資格を持ち、取得特許も多数持ち、現在、多数の企業の企画開発を支援している。



