化粧品の新しい商品開発術クラウドファンディングで「作ってから売る」から「売れるか確かめてから広げる」へ
化粧品市場では、毎年数多くの新商品が発売されています。
一方で、商品開発の現場では、
「良い商品を作ったのに、思ったほど売れなかった」
「発売してみたら、想定していたターゲットと実際の購入者が違った」
「小売店への提案時に、販売実績を求められた」
といった課題も少なくありません。

そこで注目したいのが、OEMメーカーとブランド・メーカーが連携し、クラウドファンディングを商品開発・テストマーケティングに活用する方法です。
本格的に市場へ投入する前に消費者の反応を確認できる仕組みとして活用できます。
今回は、新しい化粧水を開発するケースを例に、その進め方を考えてみます。

STEP0 OEMとブランドが「売り方」から一緒に考える

従来のOEMでは、ブランド側から「こんな化粧水を作りたい」という依頼を受け、処方や容器、ロット、原価などを検討していくケースが一般的です。
しかし、クラウドファンディングをテストマーケティングに活用するなら、商品を作ってから「どう売ろうか」と考えるのではなく、企画段階から、
「誰に売るのか」
「どんな悩みに応えるのか」
「いくらなら購入してもらえるのか」
「何を商品の特徴として伝えるのか」
まで、ブランドとOEMメーカーが一緒に考えていきます。
つまり、「何を作るか」と「どう売るか」を分離しない商品開発です。
ここからクラウドファンディングで市場に問いかけられる商品を設計していきます。
これを入れると、その後のSTEP1〜5が全部つながります。
STEP1 最初から大量生産を前提にしない

例えば、ある化粧品メーカーが「40代以降の女性向け保湿化粧水」を企画したとします。
従来の商品開発では、
企画
↓
処方開発
↓
容器・パッケージ制作
↓
生産
↓
広告・営業
↓
販売
という流れが一般的です。
しかし、この方法には一つ大きな問題があります。
実際に消費者が買ってくれるかどうかは、発売してみるまで分からないことです。
そこでOEMメーカーと相談しながら、初期段階では必要以上に生産量を増やさず、市場の反応を確認できる設計にします。
重要なのは「完成品を大量に作ること」ではなく、市場に問いかけられる商品を作ることです。
STEP2 「成分」ではなく「買う理由」を設計する

化粧水を開発するとき、どうしても
「○○エキス配合」
「○種類の美容成分」
「独自処方」
など、商品のスペックから考えがちです。
しかし、テストマーケティングで確認したいのは、それだけではありません。
例えば、
「年齢とともに乾燥が気になる人へ」
「忙しい毎日でもシンプルなスキンケアを続けたい人へ」
など、誰の、どのような悩みやニーズに応える商品なのかを明確にします。
同じ化粧水でも、訴求方法によって購入する人は変わります。
OEMメーカー側も処方を提供するだけではなく、「この商品の特徴を消費者にどう伝えるか」までブランド側と一緒に考えることで、商品開発の精度を高められます。
STEP3 クラウドファンディングで市場に問いかける

商品コンセプトが固まったら、クラウドファンディングを活用して先行的に市場へ提示します。
ここで大切なのは、クラウドファンディングを単なる「資金調達」と考えないことです。
むしろ、
「この商品を欲しいと思う人は本当にいるのか?」
を確認する機会として活用します。
例えば化粧水なら、
- どの年代から反応があるのか
- どんな悩みを持つ人が購入するのか
- どの価格帯なら購入につながるのか
- どの説明やコンセプトに反応するのか
などを見ることができます。
アンケートなどを組み合わせれば、購入理由や商品への期待など、次の商品開発につながる情報を得ることも可能です。
つまり、クラウドファンディングは「販売」と「市場調査」を同時に進められる場として捉えることができます。
STEP4 結果を次の商品改善に活かす

テスト販売で重要なのは、売上金額だけではありません。
例えば、
「想定より50代からの支持が多かった」
「保湿力よりも使いやすさへの評価が高かった」
「自宅用だけでなくプレゼント需要があった」
といった結果が得られれば、その情報を次の生産や販促に反映できます。
場合によっては、
商品名を変更する、
パッケージを見直す、
訴求するポイントを変える、
ターゲット層を再設定する、
といった改善も考えられます。
OEMメーカーにとっても、こうした消費者の反応が共有されることで、次回の処方提案や商品開発に活かせます。
「作って納品して終わり」ではなく、市場の反応を見ながらメーカーとOEMが一緒に商品を育てていく。
これが一つのポイントです。
STEP5 「売れた実績」を持って次の販路へ

クラウドファンディングは、終了したら役割を終えるわけではありません。
むしろ、そこからが次のステップです。
クラウドファンディングを通じて、
- どれくらい売れたのか
- どんな人が購入したのか
- どんな点が評価されたのか
- どんなレビューが集まったのか
といった実績が残ります。
これらは、ECや自社通販だけでなく、小売店や量販店、卸会社などへ商品を提案する際の材料になります。
まだ一度も市場に出ていない商品を、
「きっと売れます」
と説明するのと、
「実際にこれだけの人が購入し、このような評価が得られました」
と説明するのでは、商談の意味が変わってきます。
OEMメーカーの役割も「製造」から広がる

これからの化粧品OEMでは、良い処方を作り、安定して製造することはもちろん重要です。
しかしブランド・メーカー側が求めているのは、その先にある「どうすれば商品が市場に受け入れられるか」という課題の解決でもあります。
OEMによる商品開発
× クラウドファンディングによる市場検証
× 結果を活用した商品改善
× 一般流通への展開
という流れを作ることで、従来とは違った商品開発の可能性が生まれます。
化粧水を1本作るところから始めるのではなく、「小さく市場に問いかけ、反応を見ながら大きく育てる」ことから商品開発を設計する。
クラウドファンディングは、化粧品メーカーとOEMメーカーが消費者により近いところで商品を一緒に育てていくための、新しいテストマーケティング手法の一つになり得るのではないでしょうか。
「こんな商品でもできる?」という段階からお気軽にご相談ください。
- 取引先から新商品の相談を受けている
- 良い処方や素材はあるが、どう商品化すればよいか分からない
- 商品はあるが、本格生産する前に市場の反応を確かめたい
- クラウドファンディングに興味はあるが、自社商品に向いているか分からない
- クラファン後に小売店や量販店などへ広げていきたい
このような段階でも構いません。
商品が完成してからクラウドファンディングを考えるのではなく、企画段階から「誰に・何を・どう売るか」を一緒に考えることで、クラウドファンディングを市場検証の場として活用できます。
OEMメーカー、化粧品メーカー、原料メーカーなど、それぞれの立場に合わせて活用方法を考えることができます。
「この商品でもできるだろうか?」という段階から、お気軽にご相談ください。
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※ご希望のテーマも募集しています。
< 取材協力 >
クラウドファンディング活用プロジェクト代表
橋本
プロフィール
クラウドファンディングを活用した新商品の市場開拓・マーケティング支援を手がける。
Makuake、CAMPFIREなどを活用したプロジェクトを多数支援し、過去5年間で累計2億円を超える支援実績を持つ。
商品コンセプトや販売戦略の設計から、クリエイティブ制作、広告・PR、プロジェクト運営まで幅広くサポート。
クラウドファンディングを単なる資金調達や先行販売ではなく、「消費者の反応を確かめるテストマーケティングの場」として活用している。
さらに、クラウドファンディングで得られた売上実績や顧客の反応、レビューなどを活かし、テスト販売で終わらせることなく、量販店をはじめとする一般流通への販路拡大も多数支援。
「市場で試す」から「本格的に広げる」まで、一貫した商品育成・販売支援に取り組んでいる。



