「水道水における放射性物質対策検討会」の第4回会合が2011年9月29日、都内で行われた。前回の中間取りまとめにおいて課題とされた品質管理面のフォロー施策として「水道水等の放射能測定マニュアル」案が、公開された。
同マニュアルは「原子力施設の事故等の緊急事態における水道水の放射能汚染に関して水道事業者等が、水道水や水道原水の検査の用途や必要な検査精度に応じて分析機器の選択を行い、水道水や水道原水の放射のの測定を適切に行うため、試料の採取等の方法、分析機器ごとの測定方法や留意点を紹介する」ことを目的に「水道水等における放射性物質測定方法作業会合」(座長:桝本和義)が作成した。
マニュアル案では、原子力緊急事態の発生時に迅速に行う第一段階と周辺環境に対する全般的影響を評価する第二段段階に区別して測定法の利用用途を示した上で、測定作業の手順や機器ごとの測定法、スクリーニング法などが紹介されている。
水道事業者等および委託先検査機関の検査体制は、整備が進んでおり、厚労省の調査では、現在140台のゲルマニウム半導体検出器の所有が確認されている。また福島県内の5水道事業者等には、8月末から9月前半にかけてゲルマニウム半導体検出器が1台ずつ計5台導入されており、10月以降の運用開始に向け、整備が進められていることも報告された。
その他、この日、内閣府食品安全委員会の健康影響評価案(抜粋資料)、浄水発生土の保管および処理状況、原子力損害賠償の動向などが報告された。
[水道水における放射性物質対策検討会 名簿] (50音順、敬称略)
浅見真理 国立保健医療科学院生活環境研究部水管理研究分野上席主任研究官
大原利眞 国立環境研究所アジア自然共生研究グループ広域大気モデリング研究室長(欠席)
欅田尚樹 国立保健医療科学院生活環境研究部長
朝長万左男 日本赤十字社長崎原爆病院長
古米弘明 東京大学大学院工学研究科教授
眞柄泰基 トキワ松学園理事長<座長>
桝本和義 高エネルギー加速器研究機構放射線科学センター放射線管理室室長
森口祐一 東京大学大学院工学研究科教授