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カスピ海ヨーグルトの風邪・インフルエンザに対する効果を確認

-第57回日本栄養改善学会学術総会、第57回日本食品科学工学会大会で3題を発表予定-

カスピ海ヨーグルトの風邪・インフルエンザに対する効果を確認

①カスピ海ヨーグルトの摂取が風邪の重症化を抑えることを検証 (疫学調査)
②インフルエンザウイルス感染後の重症化抑制作用を確認(動物実験)
③カスピ海ヨーグルトの免疫調節作用に関与する菌体外多糖(EPS)の特性を解明

「カスピ海ヨーグルト」は広く日本で親しまれている食品で、フジッコ株式会社では家森幸男先生の協力のもと、優良株である Lactococcus lactis subsp. cremoris FC株(ラクトコッカス ラクティス サブスピーシズ クレモリス エフシー株、以下クレモリスFC)を分離し、家庭で安全に植え継ぐことの出来るカスピ海ヨーグルトの種菌やそれを用いた製品開発を行ってきました。カスピ海ヨーグルトの最大の特徴は「強い粘り」で、この粘りはクレモリスFCが産生する菌体外多糖(EPS:Exopolysaccharide)に由来します。

当社ではこれまでに、クレモリスFCの菌体およびEPSの双方に免疫力を高める効果があることを報告しています。

今回、家森幸男先生(武庫川女子大学国際健康開発研究所 所長)と当社の疫学調査により、カスピ海ヨーグルトを食べていると風邪が重症化しにくく、また、食べる頻度が高いほどその効果も大きいことが明らかになりました。

また、マウスを用いた感染実験では、カスピ海ヨーグルトにインフルエンザウイルス感染後の重症化を抑制する作用があることを確認しました。さらに、クレモリスFCは免疫調節作用が強いといわれている酸性EPSを他の乳酸菌よりも多く産生することが分かりました。

これらの結果から、カスピ海ヨーグルトを毎日摂取することは、風邪やインフルエンザの予防や重症化の防止に有用であると考えられました。
以上の研究成果は、第57回日本栄養改善学会学術総会(会期:2010年9月10日(金)~12日(日)、会場:女子栄養大学 坂戸キャンパス)、第57回日本食品科学工学会大会(会期:2010年9月1日(水)~3日(金)、会場:東京農業大学 世田谷キャンパス)において発表いたします。

■発表の概要

武庫川女子大学国際健康開発研究所の家森幸男先生により、兵庫県近隣住民を対象として「食生活と健康」に関するアンケート調査が実施されました。ヨーグルトの摂取状況と風邪の重症度の関連を調べた結果、ヨーグルトを食べる習慣がない人に比べて、カスピ海ヨーグルトやその他のヨーグルトを食べる習慣のある人は風邪の重症度が低いことが共分散分析により明らかになりました。さらにカスピ海ヨーグルトについては、一週間に食べる回数が多い人ほど風邪の重症度が低いことが偏相関分析により明らかになりました。

また、カスピ海ヨーグルトの経口摂取による影響を、インフルエンザウイルス感染モデルマウスを用いて調べました。その結果、カスピ海ヨーグルトを経口摂取させることで、免疫力の指標となる脾臓細胞のNK活性が上昇し、インフルエンザウイルス感染後の生存率が非摂取の場合と比較して有意に改善することが分かりました。

ヨーグルトの免疫調節作用は乳酸菌体だけではなく、その代謝産物であるEPSによっても発揮されることが知られています。クレモリスFCと他の乳酸菌のEPS産生量を比べたところ、クレモリスFCは他の乳酸菌よりもEPS産生量が多いことが分かりました。EPSの中でも、リン酸化修飾を受けた酸性EPSがより強い免疫調節作用を持つといわれていますが、クレモリスFCのEPSは大部分がリン酸化された酸性EPSであると考えられました。

以上のことから、カスピ海ヨーグルトを積極的に食べることにより身体の免疫力が高まり風邪症状の重症化やインフルエンザへの感染が予防できること、またクレモリスFCのEPSは、産生量が多く、さらに酸性EPSが多いことから他のヨーグルトと比べてより免疫調節作用の強いことが期待されます。

【お問い合せ先】
<担当者>
研究開発室 丸尾俊也、後藤弥生
<担当責任者>
研究開発室室長 戸田登志也
フジッコ株式会社 研究開発室
TEL:078-303-5385 FAX: 078-303-5946
ホームページアドレス http://www.fujicco.co.jp/

2010年08月20日 15:46

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