株式会社コーセーは、12 月 7 日、日本動物実験代替法学会※1 第 27 回大会(横浜、12 月 5 日~7 日)において、「優秀ポスター賞」を受賞しました。動物実験に替わる皮膚感作性評価について、基礎的知見を積み重ねた結果が評価されたことによります。※ 1 動物実験の適切な施行の国際原則である3Rs(Replacement(置換)、 Reduction(削減)、 Refinement(苦痛軽減))の促進、普及を目的とし、研究、開発、教育、調査等を行う学術団体。
■受賞内容の概要■
○受賞者 コーセー 基礎研究室 安全性品質グループ 鶴巻実香 研究員
○研究テーマ 「SH test を用いた皮膚感作性評価における基礎的検討」
○受賞した研究の概要
コーセーでは、動物実験代替法の研究開発を積極的に進めており、本研究では皮膚感作(皮膚アレルギー)性試験の代替法の評価体系の確立を目的とし、皮膚感作性試験の一つとして検討されてきた「SHtest」についての基礎的検証、評価を行いました。SH test とは、細胞表面SH 基の変化比率で感作性の有無を判定する試験法で、皮膚感作の起きるメカニズムの中でもタンパク結合性を評価する方法であり、皮膚感作性の評価体系を構成する試験法の一つになり得ると考えられています。しかしながら、本試験法は開発元でのみ実用化されているため、汎用性、再現性についての検証が必要であり、今回の検討結果、試験条件、解析方法を工夫することで、より正確なデータを得られることがわかりました。
<研究の背景>
皮膚感作は、複雑な生体プロセスを経て引き起こされるため、単独の試験法での評価には限界があり、複数の代替法の組み合わせが必要とされております。現在、ガイドライン化が進められている「h-CLAT」についても、異なる機序を評価可能な試験法との組み合わせが重要だと考えられています。本研究において、SH test を汎用性の高い試験法として確立するために、他施設に導入する際の問題点を明らかにし、その解決策を提示できたことは、意義のある一歩であると考えています。今後は、本試験法の化粧品原料に対する有用性を更に検証し、評価体系の確立に繋げて参ります。
※詳細は下記URLをご参照ください。
◎株式会社コーセー 2014年12月12日発表
http://news.kose.co.jp/pdf/news/20141212.pdf
◎株式会社コーセー 公式サイト
http://www.kose.co.jp/jp/ja/index.html