ニチモウバイオティックス株式会社は、健康食品メーカーとして麹菌発酵大豆並びにイソフラボンに特化した研究と開発を行い、日米欧で製造特許を取得した独自の麹菌発酵技術により作られた麹菌発酵大豆培養物『イムバランス®』を市場に供給しています(※製造特許は特許存続期間を満了しています)。また、長年に渡り国内外の多くの著名な大学などと共同研究を行い、豊富なエビデンスを蓄積しています。
ニチモウバイオティックスはこれまでの試験で、『イムバランス®』のアトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギー等のアレルギー性疾患に対する有効性を確認していたほか、免疫不均衡による難治性不妊症に対する有効性を確認しています。
この度、杉山産婦人科新宿(東京都新宿区、院長:中川 浩次)須山 文緒らによる発表において、慢性子宮内膜炎による着床不全患者へ『イムバランス®』を投与し、慢性子宮内膜炎の改善および臨床妊娠率の向上が確認されました。
子宮内膜炎は、子宮内膜において持続的な炎症を伴う疾患であり、細菌やウイルスの感染がその主な原因であると考えられています。子宮内膜炎は反復着床不全や習慣流産等を引き起こす場合があり、正常な妊娠の妨げとなります。子宮内膜炎の原因や発生機序は未だ十分に解明されておらず、現状、抗生物質を用いた治療法にとどまっていますが、抗生剤による治療に抵抗性を示す場合、子宮内膜掻把術を必要とするなどその対応に苦慮することがあります。そこで、抗生剤以外の代替療法となる効果的な予防・治療手段が望まれています。
この研究結果は、第67回日本生殖医学会学術講演会・総会 (11月3~4日・神奈川)において研究発表されました。
本発表骨子は次頁のとおり
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 発表演題
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「麹菌発酵大豆培養物(イムバランス®)の慢性子宮内膜炎に対する治療効果の検討」
発表者:須山 文緒,中川 浩次,谷 卓也,月花 瑤子,名倉 優子,塩原 圭介,林 理華,石山 俊輔,森山 梓,中尾 佳月,板倉 彰子,片岡 尚代,壽圓 裕康,黒田 恵司,堀川 隆,小代 裕子,高見澤 聡,杉山 力一杉山産婦人科新宿
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 目的
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
慢性子宮内膜炎 (以下 CE) は着床不全や初期流産の原因と考えられている。治療としては抗生剤の投与が第一選択となるが、抗生剤による治療に抵抗性を示す場合、その対策に苦慮することがある。近年、腸管内細菌叢を正常に近づけることにより子宮内の炎症が改善するという報告がある(PLOS ONE,2021)ことから、腸内細菌叢の改善が CE の改善になり得るのではないか、と仮説を立てた。そこで、今回我々は、麹菌発酵大豆培養物 (イムバランス®) を投与した患者において投与前後での子宮内膜炎の改善の有無を調査し、イムバランス® が抗生剤以外の治療法の選択肢になり得るか否かを検討すること
を目的とした。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 方法
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
当院で 2021 年 4 月から 2022 年 5 月に CE 治療の目的でイムバランス® を投与した着床不全症例 20 名を対象とし、子宮内膜生検における CD138 の個数、胚移植回数を解析し、さらに臨床的妊娠率を後方視的に検討した。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 結果
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
20 名のうち 13 名は抗生剤抵抗性であり、7 例はアレルギー等で抗生剤の使用が困難であった。イムバランス® 投与前の CD138 の個数は平均 15.1 個 (6 個~94 個)/10 視野であったが、イムバランス® 2 週間投与後には平均 1.6 個 (0 個~9 個)/10 視野と有意に減少した(p<0.05)。イムバランス® 投与前の胚移植回数は平均 1.8 回であり、継続妊娠は認めなかった。イムバランス® 投与後の胚移植回数は平均 1.7回であり、臨床的妊娠は 14 例 (70%) に認めた。11 例 (55%) は 12 週以降まで妊娠が継続した。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■ 結論
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
イムバランス® 投与によって慢性子宮内膜炎が改善し、その結果、妊娠率も向上したと考えられ、イムバランス® が抗生剤以外の CE の治療法の選択肢の一つになり得ることが示唆された。
【詳細は下記URLをご参照ください】
・ニチモウバイオティックス株式会社 2022年11月2日発表
・ニチモウバイオティックス株式会社 公式サイト