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レモンにメタボ予防の可能性

0528-1.jpg レモンの摂取により、メタボリックシンドロームを予防する可能性があることが分かった。県立広島大学保健福祉学部(広島県三原市)堂本時夫(=どうもと ときお)教授を中心とする共同研究チームが行った調査で明らかになった。同研究内容は、日本健康科学学会第25回学術大会(2009年8月29、30日、東京体育館)で、学会発表する予定。

調査は、国産の約60%を生産する広島県内のレモン産地(瀬戸田地区、大長地区)在住の中高年女性118人(平均年齢:60歳)を対象に実施。摂取記録開始前に、対象者全員の身体測定、血圧、動脈硬化、骨密度、血液成分などを検査し、毎日のレモン摂取量を記録(5ヶ月間)した。調査終了後、同じ検査で各項目を測定した。

データは、摂取記録開始前検査と摂取記録後検査の測定値の変化量とレモン摂取量との関係を回帰分析及び摂取量グループ間の群間比較により解析。レモン摂取量は1日平均レモン果汁換算1個以上のHigh群、同0.5個以上~1.0個未満のMiddle群、同0.5個未満のLow群の3群にグループ分けした。

その結果、血圧(上腕最高血圧)に関しては1日あたりの平均レモン摂取量が多いほど血圧が低く変化し、負の有意な相関が観察された。また、レモン摂取量でグループ分けして比較した場合、High群及びMiddle群は、Low群と比べ、最高血圧は低く変化した。

PWV(脈派伝播速度)の変化では、1日あたりの平均レモン摂取量が多いほどPWVが低く変化し、レモン摂取量でグループ分けして比較した場合、High群は、Middle群やLow群と比べ、PWVが低く変化した。

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体脂肪と相関するホルモン(レプチン)の血中濃度の変化については、1日あたりの平均レモン摂取量が多いほどレプチン濃度が低く変化し、有意な負の相関が観察された。また、グループ分けして比較した場合、摂取量が多い群ほどレプチン濃度が低く変化することが観察された(図表参照)。

以上のことから、レモン摂取量が多い群ほど①血圧を低下させ、②血管の硬さを示す指標となるPWVで評価した動脈硬化度が低く、③肥満に関連したホルモンであるレプチンの血中濃度が低いことが明らかとなった。これら3つの要素は、いずれもメタボリックシンドローム予防に有効で、レモンの摂取を取り入れた食生活が、メタボリックシンドロームを予防する可能性が示唆された。

同研究は、堂本教授を研究リーダーとして、広島県果実農業協同組合連合会(JA広島果実連)、JA三原、JA広島ゆたか、(株)ポッカコーポレーション(本社:愛知県名古屋市、社長:堀雅寿)の協力のもとに行われた。

2009年05月28日 16:12