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コーヒー飲用+運動はメタボリック症候群対策に有効

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()全日本コーヒー協会(東京都中央区)2009910日都内で「第13回コーヒーサイエンスセミナー」を開催した。同セミナーはコーヒーの普及啓蒙、消費拡大などに取り組む同協会がコーヒーの健康に関連する最新の研究成果をメディアへ発表する催しで、毎年101日の「コーヒーの日」を控えたこの時期に行われている。

 この日は、コーヒーの健康効果について2つの講演が行われた。東京自慈恵会医科大学臨床検査医学講座教授鈴木正登氏は「メタボリック症候群に及ぼす運動とコーヒー飲用の効果」について発表。ヒトを対象に一過性のコーヒー飲用後に中程度の運動を負荷するなどで脂質燃焼が亢進するか否かを確認した実験では、一杯のコーヒー(カフェイン4mg/KG)飲用によって、1時間後には血圧上昇、心拍数低下、エネルギー代謝が有意に上昇した。さらに飲用1時間後に中等強度のトレッドミル走を30分負荷した結果、運動後のエネルギー代謝の亢進の持続が確認された。

 併せて、コーヒー飲用と運動併用の繰り返し効果を検証するため、ヒト肥満・糖尿病モデルラットを用い、メタボリックシンドローム危険因子への影響も調査。その結果、運動およびカフェイン単独投与よりも、運動とカフェイン併用の方が体重減少が顕著で、筋肉重量が有意に多く、内臓脂肪重量の合計が最も低かった。こうした結果から鈴木教授は「メタボリック症候群の危険因子改善にはコーヒーの飲用と運動の併用が望ましい」との見解を示した。

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続いて東海大学医学部内科学系循環器内科学教授の後藤信哉氏が「一杯のコーヒーの不思議 ―心筋梗塞、脳梗塞などの血栓性疾患発症におよぼす効果―」と題し講演した。マウスの精巣の動脈を分離して、作った動脈血栓のモデルを用い、コーヒーと純水を飲用させた実験では、コーヒー飲用マウスで、血管が完全閉塞するまでの時間延長が認められた。血管が完全に詰まるまでの時間を比較した実験でもコーヒー飲用の場合、強力な抗血小板薬に匹敵する効果が確認された。

 一方で、血栓予防の有効成分として有力とされるカフェインによる効果を確認した実験では、コーヒーを飲用した場合がカフェインのみの飲用より有効な結果となった。こうしたことから後藤教授は、カフェイン入りコーヒーが心筋梗塞の発症を予防することは薬理学的に正しそう、としながら「コーヒーの閉塞血栓予防効果はカフェインの効果ではない、と考えざる得ない」と見解を述べ、「メカニズムの解明は今後の課題」として、講演を終幕した。

 全日本コーヒー協会は、コーヒーの需要増大に伴い、コーヒー業界が窓口を一本化して、業界内や行政との連絡調整ならびに国内外の関係機関との連携、さらには国民の豊かな食生活の実現に資する取り組み強化の必要性が生じたことなどから、既存のコーヒー団体を統一する新たな機関として1980年に設立された。

 

2009年09月10日 19:37