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コーヒーと糖尿病の関係

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(社)全日本コーヒー協会(東京都中央区)は201年9月2日、都内で「第15回コーヒーサイエンスセミナー」を開催。コーヒーと糖尿病に関するテーマで2つの講演が行われた。

最初に神戸大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科准教授で神戸大学病院糖尿病内分泌内科診療科長の小川渉氏が「カフェインの糖尿病予防機構について~骨格筋のミトコンドリア関連遺伝子発現調整の解析より~」のタイトルで講演。コーヒーが糖尿病予防になることが知られる中、運動がインスリン感受性を改善し、また、カフェインに運動模倣効果があることから、そのメカニズムを解明することからみえてきた結果を報告した。

小川氏によれば、既知の遺伝子であるPGC1αでなく、新しい分子種が運動によるインスリン感受性改善作用を担い、カフェインをはじめとする各種の運動模倣薬が増加させるのも新しい分子種であったという。一方、新しい分子種が欠損したマウスでは、運動による骨格筋での脂肪代謝系遺伝子の発現が抑制されることが確認されており、こうしたことからカフェインによるインスリン感受性改善メカニズムの一端がうかがわれるとした。

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次に九州大学大学院医学研究院予防医学分野教授の古野純典氏が「コーヒーの糖代謝改善効果~糖代謝および炎症マーカーについての無作為化比較試験から~」と題し、疫学的観点から解説。演題の通り、インスタントコーヒーを1日5杯16週間飲用してもらい、空腹時血糖、負荷後時間血糖などを調べ、レギュラーコーヒーとノンカフェインコーヒー、ミネラル水の対照群と比較した。

その結果、レギュラーコーヒー群では血糖AUC値と2時間値の減少がみられた。また、群間での有意差は見られなかったが、レギュラーコーヒー群でのみアディポネクチン濃度の減少がみられた。こうしたことから、古野教授は、カフェインを含むレギュラーコーヒーは食後の血糖値において、一定の効果が期待できるとの見解を示した。

同協会は、コーヒーの消費拡大のため、知識の啓蒙や研究の振興および国内外の研究情報の収集、コーヒーの安全性を確保するための対策の実施などを行っている。10月からはBS放送でコーヒー啓蒙のミニ番組の放映も行う。

2011年09月02日 19:48