健康と美容のニュースなら健康美容EXPOニュース

機能性食品素材 オーラバリア®配合食品 口内フローラ改善効果を発表/森永乳業

森永乳業株式会社は、乳や唾液に含まれる抗菌成分ラクトフェリンおよびラクトパーオキシダーゼを活性成分とする機能性食品素材「オーラバリア®」を配合した食品の摂取により、口内フローラ(口腔内細菌叢そう)が改善される可能性を見出しました。本研究結果を、日本歯科衛生学会第11回学術大会(2016年9月17~19日、広島)にて発表いたします。なお、本研究は、昭和大学歯学部弘中祥司教授をはじめとする研究グループと共同で実施しました。

■研究の背景と目的
ヒトの腸内や口腔内にはそれぞれ数百種類の細菌がおり、腸内の細菌の集まりは腸内フローラ(腸内細菌叢)、口腔内の細菌の集まりは口内フローラと呼ばれています。この口内フローラのバランスが崩れると、虫歯や歯周病、口臭などの口内のトラブルだけでなく、生活習慣病など全身の健康にも影響することが指摘されています。これまで病原菌に対する抗菌作用を持つ機能性食品素材はあるものの、口内フローラ全体に対する影響は高度な解析技術を必要とするためほとんど評価されてきませんでした。ラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼは、ともに唾液や乳に含まれる抗菌成分であり、生体防御や口腔衛生の改善に働くと考えられています。森永乳業は、ラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼを活性成分とする機能性食品素材「オーラバリア®」を開発し、これまでに「オーラバリア®」配合食品の継続摂取によってプラーク(歯垢)中の歯周病菌数が減少することを臨床試験で確認しています(2015 年6 月ニュースリリース)。今回、「オーラバリア®」配合食品が口内フローラ全体に与える影響を調べるため、森永乳業が腸内フローラの研究で培った技術を応用して解析を行いました。

■結果の概要
1.細菌の多様性に対する影響・ 多様性の指標の一つである Chao1 は、摂取 8 週後においてプラセボ群と比べてオーラバリア群で低値を示しました(図1左)。多様性の指標 Chao1 は、口腔衛生に関わる指標の一部である歯周ポケットの深さ(図1右)、プラーク付着度、口臭の強さと相関しており、細菌の多様性が低い方が良好な口腔衛生状態でした。・ 以上の結果から、「オーラバリア®」は、口腔衛生状態の悪化に関わる細菌の多様性を抑えて、口内フローラを改善する可能性が示唆されました。

20160915_r02.jpg

2.各菌種に対する影響
・ オーラバリア群では、摂取期間前後で歯周病菌プレボテラ・オリスなど 10 菌種の菌叢割合が有意に低下しました(図2)。これら 10 菌種中 4 菌種が口腔衛生指標の一部(歯周ポケット深さ、歯肉からの出血、プラーク付着度)と相関を示し、口腔衛生状態の悪化に関与すると考えられました。・ 逆に、菌叢割合が有意に増加した 12 菌種では、口腔衛生状態の悪化に関与する細菌はみられませんでした。なお、摂取期間を通じて、虫歯に関連するストレプトコッカス・ミュータンスなどの細菌の菌叢割合が増加することはありませんでした。・ 以上の結果から、「オーラバリア®」は口腔衛生状態の悪化に関わる細菌を抑制する一方で、悪化に関与しない細菌の割合を増やし、口内フローラを改善することが示唆されました。

20160915_r03.jpg

■まとめ
以上の結果から、抗菌成分ラクトフェリンおよびラクトパーオキシダーゼを含む機能性食品素材「オーラバリア®」配合食品の摂取は、口腔衛生状態の悪化に関わる細菌を減少させるとともに、多様性を抑えて、口内フローラを改善することが示されました(図 3、イメージ図)。口内フローラの改善はお口の健康維持だけでなく、生活習慣病予防や介護予防の分野でも注目されつつあります。森永乳業は本研究で得られた知見を活かして、口腔衛生食品や介護食などの製品応用を図り、お口から全身に向けた健康づくりに貢献してまいります。

< 【詳細は下記URLをご参照下さい】
森永乳業株式会社 2016年9月15日発表
森永乳業株式会社 公式サイト

 

 

2016年09月15日 15:11

関連記事