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業務用化粧品メーカーでは初の点字シール貼付

glantz.jpg(株)グランツ(東京都豊島区、狩野明社長)は20167月上旬より、同社の化粧品2アイテムに点字シールを貼付。来春までに全8商材に展開する。業務用化粧品メーカーでは初。

スキンケアライン「エグランティエEGモード」など、ベル・クール研究所が開発したエグランティエEG化粧品を店販用と業務用で取り扱う同社が、なぜ点字シールの採用を決めたのか。狩野社長が説明する。

「きっかけは3年前になります。全盲の知人がアトピーで、いつもスキンクリームを塗っています。クリームには、しっとりと、さっぱりの2種類あり、使うとき困っていると相談があったんです。調べてみると

メーカーによっては、問い合わせれば点字の無料シールを送ってくれる会社があることが分かりましたが、普通気づかないな、と言うのが印象でした。以来、いい点字シールがないかと、ずっと探していました」。

状況が大きく動いたのは、障害者差別解消法の施行だ。2013619日に成立し、20164月から施行されている。この法律によって、点字制作会社、シール会社が社会貢献の一貫として取り組むようになり、コストが大幅ダウン。割安での製造が可能になり、狩野社長のアクションが実を結ぶことになる。すぐに実現に動き、関係各所の理解を取り付け、同社の8アイテムに対応した点字シールを完成させた。

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「全盲の友人もそうですし、私の母も難聴で辛い思いをしてきました。私が望んでいるのは、誰もが普通に快適に暮らせる社会の実現です。弊社の製品に点字シールを貼付したところで影響はほとんどないと思いますが、うちのような小さな会社でもそうした取り組みができるという部分をみていただいて、この動きが広がっていけばいいと思っています」と狩野社長は、点字シールに込めた思いを明かした。

障害者差別解消法は、国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成256月に制定され、平成2841日から施行されている。
 

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