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高機能発泡樹脂「ピオセラン」の拠点拡充

積水化成品工業(大阪市北区)は、高機能発泡樹脂「ピオセラン」の海外展開を加速する。新たにオランダ・アルメロ工場、中国・蘇州工場を本格稼動させたことで、世界規模での供給体制整備が完了。国内外全ての生産能力が1万㌧となり、今後はさらに1万6000㌧まで拡大させて、自動車部材やIT家電用梱包材などで急増する需要に対応する。

ピオセランは、同社が独自に開発したポリマーハイブリット方式により、ポリスチレンとポリオレフィンの重合比率をコントロールしてできた高機能発泡樹脂。従来の発泡ポリスチレン(EPS)より衝撃や磨耗に強い性質を有している。従来製品と比べて軽量化も実現し、世界的に需要拡大が顕著となっている。

オランダ工場は、2007年6月に設立し「PNビーズ」などの販売を手がけてきたが、09年4月よりピオセラン生産拠点として本格稼動。生産能力は年間最大1800㌧で、今後欧州地域での供給の要として拡販を進める。

一方、中国・蘇州工場は、蘇州工業区内に07年12月設立。ピオセランの生産専門工場として09年7月より稼動させた。生産能力は年間最大1200㌧で中国2番目の生産拠点となり、主に樹脂の含浸、発泡などの成形分野を担当する。販売は同社100㌫出資の上海国際貿易有限公司によって行なわれる。

同社の廣田事業部長は、「昨年からの世界規模での不況は、同社ピオセランのユーザーである自動車、IT関連市場に大きな影響を与えたが、地域に根ざした生産・販売を拡充することでよりキメ細かなサービスを提供し、他社との差別化を図る」と語った。

2009年09月17日 20:40