資生堂は10月23日、 ギリシャ共和国での化粧品販売の強化を目的とした合弁会社設立に向け、 資生堂の100%子会社である資生堂インターナショナルヨーロッパ (所在地∥フランス・パリ) と、 化粧品の輸入・販売を営む 「ジェロリマトス・コスメティクス社 (以下、 GC社)」 (所在地∥ギリシャ・アテネ) の2社間で合弁契約を締結した。
新たに設立するのは、 「資生堂ヘラス」 (Shiseido Hellas S. A.) で、 2010年1月からの営業開始を予定している。 全世界共通で展開するプレステージ化粧品 「SHISEIDO」 を取扱う。
同社は、 ギリシャ市場で1991年より代理店を通じて資生堂化粧品の販売を開始しているが、 合弁会社を通じた直接オペレーションにより、 市場に根付いた営業体制を確立し、 資生堂ブランドのプレゼンス強化、 売上拡大を図る。
また、 「日本をオリジンとしアジアを代表するグローバルプレイヤー」 を目指す中、 成長を担う海外化粧品事業においては、 「新規市場への積極的な事業拡大」 とあわせて、 「既進出市場の強化」 に着手している。 前者の取組みとしては、 2009年上期に、 エジプト、 モロッコへ初のアフリカ大陸進出を果たし、 東南アジアのラオス、 中央アジアのアゼルバイジャンといった新興市場にも販路を広げた。
後者については、 2008年にロシアで、 代理店経由の販売から、 資生堂100%子会社での販売に切り替えるなど、 事業強化のスキーム転換を図っている。 今回の合弁契約締結は、 「既進出市場の強化」 にあたる。
合弁会社設立に至った経緯については、 「1991年の進出から約20年を経過したギリシャでは昨今の市場環境の変化に対応し、 より機動力のあるビジネス展開が求められていた。 市場に根付いた営業体制のさらなる強化を目指し、 現地でのマーケティング、 商習慣を熟知したビジネスパートナーとして、 プレステージ化粧品の販売ノウハウなどの点で優れたギリシャ大手化粧品販売会社であるGC社との合弁契約の締結に至った」 (同社) としている。
マーケティング計画については、 ギリシャのプレステージ化粧品市場は、 カウンセリング販売が主流で、 カテゴリー別売上構成が、 欧州市場全体がフレグランス指向であるのに対し、 スキンケア化粧品が売上げの大きなウエイトを占めるといった特徴を踏まえた展開を行う。 具体的には、 スキンケア化粧品を中心としたカウンセリング販売を強化すべく、 ビューティーコンサルタント (美容部員) の応対力強化、 営業体制の整備を実施するとともに、 現状約100の取扱店数を2014年までに160店まで拡大するとしている。
〈合弁会社の概要〉
会社名∥資生堂へラス (和名)、 Shiseido Hellas S. A. (英文) ◇所在地∥ギリシャ・アテネ (予定) ◇設立∥2009年11月を予定◇資本金∥350万ユーロ◇出資比率∥資生堂インターナショナルヨーロッパ (51%)、 ジェロリマトス・コスメティックス社 (49%) ◇責任者∥Lazaros SAKELLARIOU (ラザロス・サケラリオウ) ◇事業内容∥ギリシャにおける、 プレステージ化粧品ブランドSHISEIDO製品の仕入れ・販売。 ※ Hellasは、 古代ギリシャ語で、 「ギリシャ」 を指す。