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お湯を注ぐと膨らむ断熱容器

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東罐興業(東京都千代田区)は、新断熱紙容器「HMC(ホットマジックカップ)」を開発し、販売している。

同容器は同社開発のシュリンクフィルムを容器胴部のスリーブ内面に巻き付け、容器に注いだ熱湯の熱で、そのフィルムが収縮し、紙スリーブが変形するというもの。熱湯を注いだ後、取手が浮き出してくる。

従来の紙コップ形状の断熱容器は容器と胴部のスリーブの間に空隙を作るもので、例えば容器内の温度が90度ほどあれば、胴部の温度は65度程度となり、手で持つと少し熱く感じる温度であった。

同容器では容器胴部から紙スリーブが完全に浮いた状態になるため、容器内の温度がどれほど高くとも手に感じる温度は一定している。

そのほかにも、従来の断熱性容器は、容器と外スリーブの角度が異なるためスタッキング時に外スリーブが容器の内側面と接触し、ブロッキングしてしまうという問題点があった。スタッキング性が悪いと輸送コストが増加し、ブロッキングによっては食品メーカーで食材を充填する時に容器の切り離しが上手くいかず生産機にトラブルを発生させる原因ともなった。

同容器(スタッキングは従来の断熱性容器の約3分の1)はこれらの問題点をすべて解消する。

フィルムの収縮によって、お湯を入れると容器が変形するという“驚き”もこの容器の特長で“マジック”という名に相応しい。出展した展示会の反響も高く、海外を含めて多くの引き合いを受けているようだ。

特に、カップ胴部を手で包むように持つ習慣がある欧米圏での需要が見込まれるため、海外の展示会などへの出展も検討している。

2009年11月13日 12:39