テトラパック(スイス・ローザンヌ)は、ブラジル最大手の石油化学会社ブラスケム社と、植物由来の高密度ポリエチレン(HDPE)を限定的に購入する契約を締結した。同契約は、紙容器業界におけるグリーン・ポリエチレンの導入に向けた初の試みとなる。
ブラスケム社は、世界初となる商業規模のグリーン・ポリエチレン工場(ブラジル南部)の生産を2010年後半に開始する予定で、テトラパックへの第1回目の出荷は、2011年初頭を見込んでいる。この新工場では、サトウキビ由来のエタノールからエチレンを作り、そのエチレンを重合してポリエチレン(世界でもっとも広く使用されているプラスチック)を製造。この製法は、従来のポリエチレンの製法に比べ、温室効果ガスの排出量を全体的に削減すると予測されている。
今回の契約により、ブラスケム社は、プラスチックキャップと開口部の生産用として、2011年から年間5000㌧のグリーン高密度ポリエチレンをテトラパックへ供給。この供給量は、テトラパックの高密度ポリエチレンの総需要のほぼ5%に相当し、プラスチック総購入量の1%弱となる。
テトラパック・グループの社長兼CEOのデニス・ヨンソン氏は「この試みは、グリーン・ポリエチレンの導入に向けた最初の小さな一歩ではあるが、持続可能な資源利用の取組みにおける大きな前進だ。また、当社の紙容器に再生可能資源を利用するための新たな方法を模索するという、当社のコミットメントを裏付けるものでもある」と語る。
また、ブラスケム社CEOのバーナード・グラディン氏は「従来のポリエチレンに代わる実現性の高い再生可能な原料を、テトラパックのパートナーとして供給できることを光栄に思う。テトラパックのグローバル・サプライヤーとして、長期にわたるパートナーシップの新たな一歩であり、我々の持続可能な開発に向けたコミットメントを示すものでもある」と語った。