カネボウ化粧品は、 脳科学者・茂木健一郎氏との共同研究 「『化粧・美×脳科学』 プロジェクト」 第2弾として、 化粧前後における女性の脳の活動の変化を比較した。 その結果、 化粧前に他人の顔のように認識していた 「自分の化粧顔」 が、 化粧後には 「自分の顔」、 つまり、 自分そのものであると認識を変えていることを見出した。 化粧後の女性にとっての 「自分の化粧顔」 は 「自分の顔」 であり、 「他人と向き合うための社会的な存在」 であること示唆している。
fMRI (機能的磁気共鳴映像法) による測定で、 被験者の女性が化粧をした状態での 「自分の素顔」 「自分の化粧顔」 「他人の素顔」 「他人の化粧顔」 を見た時のそれぞれの脳活動を測定した。 すると、 「自分の素顔」 「自分の化粧顔」 ともに、 「自分の顔」 を見た時と同じ活動を示すことがわかった。
化粧前の化粧顔への期待感は、 化粧をすることで自分に自信を持ち、 自分と他人との人間関係を積極的につくりあげることに対する期待感であり、 化粧後の脳活動の変化は、 素顔の時には他人のように認識していた 「自分の化粧顔」 を、 化粧後には自分そのものと認識することで顔だけでなく、 無意識のうちに脳にも化粧を施し、 他人と向き合う体制を整えていることを意味する。
この成果は今年10月にシカゴで開催された 「Neuroscience2009」 (北米神経科学会)、 10月31日~11月1日に鹿児島で開催された 「フォーラム顔学2009」 (日本顔学会) で発表した。