中京化学(愛知県稲沢市)が2台目となる軟包装向け水性フレキソ印刷機を導入する。4月中に設置調整後、5月GW明けの稼働を目指す。グラビア印刷との”棲み分け”を進め、4000㍍以下の極小ロット分野の需要を担う新たなモデルとなるか、動向が注目されている。
2号機目となるフレキソ印刷機は1号機目と同じオリエント総業が開発。印刷ユニットがインライン型セクショナル(ギアレス)方式で、印刷可能原紙幅が300~620㍉のナロウサイズを主体とする。1号機と同じく「ドクターチャンバー方式」を採用し、高精度・高再現性の決めてとなる樹脂版とアニロックスロールの接圧を100分の1㍉単位で制御が可能。インキが均一にフィルムへ移るよう樹脂版と圧胴が少し触れる距離”キスタッチ”を実現する。
製版は版線数133線の樹脂凸版を使用。インキはこれまで”水性グラビア印刷”で蓄積したプロセスカラー方式により、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトのプロセス5色の水性フレキソインキによる掛け合わせ印刷方式。独自構築のカラーチップチャートを駆使し特練りインキは使用しない。
昨年6月中旬から開始した水性フレキソ印刷は、本社近くに位置する陸田工業団地内に約2400平方㍍の敷地に「フレキソ工場」で稼働。1号機はすでにフィルム用から紙用に転用を図っており、不織布、レーヨン紙などの印刷加工を主として行う。課題となる紙粉対策も除去装置を搭載して対策した。近く設置するフィルム専用機は紙専用印刷工場、フイルム専用印刷工場を間仕切ることで、紙粉等の異物が混入しない工夫を凝らした。また2階部を増床し、フレキソ製版システムを稼働させる予定としている。
激変する軟包装業界で水性のパイオニアとして脚光を浴びる「中京化学」がフィルム用、紙用とフレキソ印刷機を2台稼働させることで、グラビア印刷との共存、活路をどのように拓いていくのか期待されるところだ。