シール・ラベル印刷加工大手のシーレックス(東京都台東区)はこのほど、貼られている状態では透明なのに、剥がされると上下2層それぞれにホログラムの文字や絵柄が浮き出るという開封検知ラベル「透明ホログラムタイプ」を開発した。透明なので、改ざんの判明がしやすいというだけでなく、パッケージデザインや商品イメージを損なわないというのが大きな特長だ。
同社はこれまでに、4タイプの開封検知ラベルを開発、「透明ホログラムタイプ」はその第5弾となるもの。4タイプのまず1つには、ラベルを剥がすと商品側にラベルの一部(開封済みマークや文字)が商品に転移する「文字転移タイプ」がある。2つ目はラベルを剥がすと2層構造のうちの商品側に貼られた下層部に開封済みマークが現れる「全転移タイプ」、3つ目がラベルを剥がすと剥がされたラベルに開封済みマークが浮き出て商品には痕跡が残らない「非転移タイプ」とあり、4つ目が2010年2月に上市した剥がした側と貼られた側の両方にホログラムが浮き出る「メタリックタイプ」。
今回同社が発表した「透明ホログラムタイプ」は、「メタリックタイプ」と同様に、その基材上下のフィルムの中間に疑似ホログラム層がある3層構造のラベル基材で、商品から剥がされると剥がされたラベルと商品側に貼られたラベルの上下両側どちらにも、ホログラムの文字や絵柄が現れるというもの。
基材が透明なので、美粧性を追求したパッケージデザインや商品イメージが損なわないのが最大の特徴。しかも、同社の開封検知ラベルはいずれも文字や絵柄を自由に変えられるほか、社名やロゴ、ブランド名が浮き出るというパターンも可能だ。
RFIDラベルのように特殊な波長で判定する方法や、特殊な偏光インキを使ったラベルではその真贋判定に特殊な機器が必要になる。これに対し開封検知ラベルは、いつでも、どこでも、だれでも真贋判定ができるというメリットがある。また、開封検知ラベルが貼られているということで、犯罪集団への牽制効果や抑止力にもなる。
「透明ホログラムタイプ」については、同社では化粧品や医薬品関係のブランドオーナーへ直接、開封検知のソリューションとして提案していく。