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医薬品のネット販売の第二回控訴審

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ケンコーコム(株)(東京都港区、後藤玄利社長)とウェルネット(神奈川県横浜市、尾藤昌道社長)が、医薬品のネット販売の権利確認請求、違憲・違法省令無効確認・取消を求めて提起した行政訴訟の第二回控訴審が2010年12月2日、東京高裁で開かれた。

ケンコーコム側は「これまで問題なく行われてきたネット販売を、それに起因する問題や事件がないにもかかわらず、明確な理由のないまま一般用医薬品の大半についてインターネット販売そのものを禁止するような規制は不当である」と改めて、請求内容を主張。国側は、「医薬品には危険性があり、国民の生命の利益を守るために規制は必要」との見解を示した。

第一審からの流れを受け、改めて両サイドの意見を確認した都築弘裁判長は、「これまでの流れでは、その争点が対面VSネットを中心になっているが、比較すべきは従前と規制後でないか」と提示。これまで、かみ合わなかった論点の軌道修正を促した。

これにより控訴審での今後の論点は、従前のネット販売における“薬害”、情報提供のあり方と規制後の状況の比較に移ることになる。ケンコーコム側は、従前のネット販売における副作用に関連した問題はないとしており、情報提供においても店舗販売以上に行っている旨の主張をしている。一方の国側は、規制によりネット販売の規制は「国民の生命の危険」を防ぐために必要な措置としており、それが従前と比べどれだけの実効力があったのかを証明する必要がありそうだ。

控訴審後会見した後藤社長は「裁判長はかみ合わない議論を進めようとしてくれており、安心している。ただ、経過措置は半年後(2011年5月31日)に迫っている。いまも平均月2000件以上のオーダーをお断りしており、一刻も早くこの理不尽な状況を終わらせて欲しい」と裁判長の軌道修正を好意的に解釈しつつ、現状ネット販売ができない状況への苦しい胸のうちを吐露した。

次回控訴審第三回期日は2月17日に行われる。

2010年12月02日 18:43